ビール大麦「しゅんれい」の早播栽培における適正追肥時期
- [要約]
- ビール大麦「しゅんれい」の早播(11月中旬播)栽培での適正追肥時期は、初期生育が高温で進んでいる場合は1月上旬から2月上旬、初期生育が低温で遅れている場合は標準播の施肥基準同様、1月下旬から2月中旬である。
- [キーワード]
- ビール大麦、早播、追肥時期、しゅんれい
- [担当]
- 福岡農総試・農産部・二条大麦育種指定試験地
[代表連絡先]電話092-924-2937
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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ビール大麦は、早播すると側面裂皮粒の発生が多くなることから、播種適期は11月25日〜12月5日とされている。しかし、近年育成されたビール大麦「しゅんれい」は側面裂皮粒や凸腹粒等の発生が極めて少ないため、早播適応性が高く、10日程度早播できることが明らかとなった。そこで、本品種の早播栽培での適正な追肥時期を検討し、安定多収栽培法を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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初期生育が平年より高温で進んでいる場合(2004年度、分げつ数3.4本/株)、穂数は1月上旬追肥で最も多く、収量は1月上旬〜2月上旬追肥で安定して高い。2月中旬の追肥では収量が低下する(表1、図1)。
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初期生育が平年より低温で遅れている場合(2005年度、分げつ数2.1本/株)、収量は1月下旬〜2月中旬追肥で安定している。一方、1月上旬の追肥では、穂数が少なく収量は著しく低下する。また、側面裂皮粒の発生も多くなる(表1、図1)。
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[成果の活用面・留意点]
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「しゅんれい」を早播した場合の適正追肥時期の判断基準として利用する。
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[具体的データ]
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表1 追肥時期の違いによる生育特性と収量関連形質

図1 追肥時期の違いによる茎数の推移
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[その他]
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研究課題名:暖地向け醸造用二条大麦品種の育成
予算区分 :指定試験
研究期間 :2004〜2005年度
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