肥育豚用飼料への給食残さ発酵乾燥物混合比率
- [要約]
- 給食残さ発酵乾燥物の粗蛋白質、粗脂肪含量は年間を通して安定しており、豚用飼料として利用可能である。肥育豚の市販配合飼料に配合する場合、15%程度までが適当である。
- [キーワード]
- 給食残さ、発酵乾燥物、肥育豚
- [担当]
- 福岡農総試・家畜部・養豚チーム
[代表連絡先]電話092-925-5232
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(豚・鶏)
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
- 我が国の養豚経営において、飼料穀物についてはそのほとんどを輸入に依存している。その中にあって、調理加工残さ、賞味期限切れに近い食品等の多くが廃棄されており、資源の有効活用の面から、これらを飼料として利用することが求められている。
- 残さの利用に関しては,地域内でリサイクルが行われる循環システムを作ることが重要である。現在県内の学校給食センターで、調理残さ、各学校で出る残飯の混合物を発酵乾燥している所があり、この給食残さ発酵乾燥物の,豚用飼料としての利用方法を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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給食残さ発酵乾燥物中の粗蛋白質、粗脂肪含量は、年間を通して安定している(表1)。
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給食残さ発酵乾燥物を肥育用飼料に15%配合して給与すると、配合しない場合に比べて、飼料要求率、格付けはやや劣るものの、1日あたり平均増体量は優れる傾向にある(表2)。
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給食残さ発酵乾燥物を30%まで配合した配を給与しても、背脂肪厚、筋肉の粗脂肪含量、背脂肪内層の脂肪融点、飽和脂肪酸割合について大きな差は認められない(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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給食残さを豚の飼料として活用する場合の技術指標とする。
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給食残さ発酵乾燥物を給与した場合、糞尿の色が濃くなるため、排水管理に注意が必要である。
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給食残さの発酵乾燥に関しては、水分が高くならないよう管理を行う必要がある。
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[具体的データ]
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表1 給食残さ発酵乾燥物の成分(%)(17〜18年)

表2 給食残さ発酵乾燥物の配合比率が発育成績及び肉質に及ぼす影響(17〜18年)
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[その他]
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研究課題名:食品残さを利用した豚肉生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2007〜2008年度
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