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カキ「早秋」の摘らいならびにシートマルチによる外観品質の向上


[要約]
カキ「早秋」は、1結果枝2蕾となるように摘らいすることで、慣行の1結果枝1蕾よりも早期落果後の結果量が多くなり、奇形果率は低下する。収穫1ヶ月前に樹冠下にシートマルチ処理することで、汚損果の発生を抑制する効果がみられる。

[キーワード]
カキ、早秋、摘らい、果形、シートマルチ、汚損果

[担当]
福岡農総試・果樹部・果樹育種チーム

[代表連絡先]電話092-922-4946	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
カキ「早秋」は、奇形果が多く早期落果も多いため、早期落果終了後に結果量が不足すると摘果できる果実が減少し、奇形果率が高くなる。そこで、摘らい程度の違いが結果量と奇形果率ならびに果実品質に及ぼす影響を明らかにする。また、シートマルチ処理による汚損果の発生軽減効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 1結果枝2蕾となるように摘らいすると、慣行の1結果枝1蕾と比べて結果率に違いはみられず、早期落果終了後の結果量は多くなる(表1)。

  2. 1結果枝2蕾となるように摘らいすると、慣行と比べて摘果後の奇形果率が低くなる。その他の果実品質には摘らい程度の違いによる差はみられない(表1)。

  3. 収穫1ヶ月前に白色の反射シートを樹冠下に被覆すると、汚損果の発生が多い年では抑制する効果がみられる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. カキ「早秋」における果実外観向上のための参考資料として活用できる。

  2. シートマルチは、収穫1ヶ月前に被覆率50%程度となるように樹冠下に処理する。

  3. 条紋や汚損の発生を軽減するために、土壌水分の変動を軽減するとともに、通風や日照条件など園内環境を良好にする。

  4. シートマルチ処理は、果皮色向上にも効果がある。

[具体的データ]

表1 「早秋」の摘らい程度の違いと果実品質(2002〜2006年)


表2 「早秋」のシートマルチ処理と汚損果率y

[その他]
研究課題名:カキ新品種「早秋」の高品質安定生産技術の確立
予算区分 :経常
研究期間 :2002〜2006年度


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