ニホンナシ「あきづき」の無着葉短果枝における早期摘果による次年度の花芽確保
- [要約]
- ニホンナシ「あきづき」の無着葉短果枝に結実した果実を満開後20日頃に全て摘果することで、短果枝の盲芽化を防ぎ、花芽を着生させることができる。
- [キーワード]
- あきづき、短果枝、花芽、摘果
- [担当]
- 佐賀果樹試・落葉果樹研究担当
[代表連絡先]電話0952-73-2275
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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ナシの価格が低迷する中、本県では「豊水」に代わる品種として、果実品質が優れ、商品化率の高い「あきづき」の導入による産地の振興が期待されている。しかし、「あきづき」は長果枝における腋花芽形成が不安定であり、短果枝においても無着葉の花芽が多く発生する。無着葉の短果枝に結実した果実は小玉で低糖度であるため、収穫前に摘果せざるを得ないばかりか、摘果時期が遅れるとその短果枝には花芽が着生せず盲芽となりやすい。そこで、次年度の着葉した花芽確保を目的として、無着葉短果枝における効果的な摘果処理時期について検討する。
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[成果の内容・特徴]
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満開後20日頃の早期摘果では全ての短果枝に花芽が着生する(表1、図1)。
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満開後50日頃の慣行摘果(対照区)では約4割にしか花芽が着生せず、2割弱は葉芽のみ、4割強は盲芽になる(表1、表2、図2、図3)。
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満開前の摘らい処理では満開後50日頃の摘果処理後同様、約4割にしか花芽は着生しないが、摘果処理後には見られない新梢の伸び出しが見られる(表2、図4)。
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[成果の活用面・留意点]
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「あきづき」の盲芽発生防止技術として活用できる。
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短果枝から新梢の発生を促したい場合には摘らいを行う。
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[具体的データ]
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表1 処理後の短果枝に着生した花芽の状況(2006〜2007年)

表2 処理後の短果枝の状況(2006〜2007年)
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図1 花芽が2個着生
した短果枝 |
図2 葉芽のみが着生
した短果枝 |
図3 盲芽 |
図4 短果枝から伸び出
した中果枝 |
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[その他]
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研究課題名 :中生ナシ新品種の栽培技術開発による新出荷体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2007年度
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