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ビワ「長崎早生」の加温ハウス栽培における早期出荷技術の改善


[要約]
ビワ「長崎早生」の加温ハウス栽培では、発育枝の花芽分化を確認後、細霧冷房と遮光を組み合わせることで、細霧冷房のみの場合より、発蕾及び開花が早まり収穫期も早まる。

[キーワード]
加温ハウス栽培、細霧冷房、遮光、花芽分化、ビワ

[担当]
鹿児島農総セ果樹・栽培研究室

[代表連絡先]電話0994-32-0179	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
ビワ「長崎早生」の加温ハウス栽培の経営安定のためには、価格面で有利な3月までに収穫を終わらせる必要がある。そのために、8月の1か月間、細霧冷房を行い、発蕾期及び開花期の前進を図っているが、実際には収穫が3月までに終了しないことが課題となっている。その原因として、細霧冷房の期間が現場の生育相に合っておらず、適期の処理ではないこと、及び細霧冷房終了後の気温が高いことが考えられる。そこで、細霧冷房の効果を高める手段として遮光処理について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 遮光により細霧冷房の効果が高まり、遮光程度が高いほど葉温は低くなる(図1)。

  2. 検鏡により花芽分化を確認した8月中旬から細霧冷房と遮光を併用すると、9月中・下旬に発蕾し、12月上旬に開花する。細霧のみの場合より、発蕾及び開花ともに約1か月早まる(表2図2)。

  3. 収穫盛期は、細霧冷房と遮光を併用すると、細霧冷房のみの場合に比べて3、4半旬早まる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 花芽分化期の見極めのための検鏡は、細霧冷房開始予定日の1週間前から約1週間間隔で実施する。

[具体的データ]

表1 処理方法(2005年)


図1 細霧冷房処理における遮光程度の違いが葉温に及ぼす影響(2004年)


図2 細霧冷房あるいは遮光の併用処理における累積発蕾枝率及び累積開花枝率の推移(2005年)

図3 細霧冷房あるいは遮光の併用処理が収穫期に及ぼす影響(2006年)

表2 時期別花芽分化確認数(2005年)

[その他]
研究課題名:ビワの高収益新作型の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2007年度


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