Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成19年度目次

施設栽培モモ「日川白鳳」における環状はく皮は果実肥大を促進する


[要約]
樹勢が強い施設栽培モモを開花期に主枝の直径の10%幅で環状はく皮すると樹勢は安定し、果実肥大は促進され、成熟期はやや早くなる。

[キーワード]
施設栽培、モモ、環状はく皮、果実肥大、熟期促進

[担当]
長崎果樹試・生産技術科

[代表連絡先]電話0957-55-8740	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
施設栽培のモモは、樹勢が強く、新梢の発生や伸長が旺盛で過繁茂になりやすく、果実肥大や品質が劣ることが多い。樹勢安定のための植物生育調整剤が実用化されているが、効果が不安定な場合もある。そこで開花期に環状はく皮を行い、樹勢と果実品質への影響について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 環状はく皮の幅は主枝直径の約10%程度で処理すると果実重は大きくなるが、主枝直径の約2%では、果実肥大の効果は無い。また10%幅ではく皮すると熟期が促進される(表1図1)。

  2. 環状はく皮処理は結実率に影響を及ぼさない。環状はく皮処理により長果枝の割合が低くなり、短果枝の割合が増加し、樹勢が安定する(表1)。

  3. 環状はく皮による、着色歩合、糖度及びpHなどの果実品質は処理による差はない(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 施設栽培の共台における結果である。

  2. 樹勢が強い樹で実施し、はく皮処理は専用のはく皮ナイフを使用し、幹の平滑な部位を剥皮する。主枝直径の10%幅ではく皮すると20〜30日で癒合する。

  3. はく皮処理の次年度は樹勢が安定するので連年処理は必要ない。

[具体的データ]

表1 施設栽培「日川白鳳」zの開花期の環状はく皮処理と結実率、新梢の種類別割合及び果実品質


図1 環状はく皮の幅と累積収穫率(2006年)

[その他]
研究課題名:新整枝法による落葉果樹管理作業の軽労化と多収技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2006年度


目次へ戻る