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スモモ「ハニーローザ」の鮮度保持のための適正貯蔵温度


[要約]
スモモ「ハニーローザ」を0℃で貯蔵すると、15日以上品質を損なうことなく貯蔵可能である。5℃の場合は10日間の保存が可能である。10℃や15℃での貯蔵は、常温貯蔵より日持ちが悪くなるおそれがある。

[キーワード]
スモモ、ハニーローザ、貯蔵温度、鮮度保持

[担当]
熊本県農研セ・果樹研・落葉果樹研究室

[代表連絡先]電話0964-32-1723	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
スモモ「ハニーローザ」は、食味が優れるものの、果実が小さいことから今まで大きな産地が形成されていなかった。しかし、本県では地産地消向け商材、新規特産品として産地化を推進し、普及が始まっている。そこで、「ハニーローザ」の貯蔵に適する温度を明らかにすることにより、鮮度保持期間の延長を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 3〜5分着色の適熟果を常温貯蔵すると果肉硬度は15日以上、収穫直後とほとんど変わらない。5℃貯蔵では徐々に低下していくものの、常温貯蔵より最低5日間は硬く推移する。10℃貯蔵や15℃貯蔵では常温貯蔵より早く軟化する(図1)。

  2. 発酵臭がしたり甘みや酸味が極端に低い食味不良果については、常温では10日目以降発生がみられる。0℃貯蔵では15日以上、5℃貯蔵では10日間は発生しない。10℃貯蔵と15℃貯蔵では10日目に発生がみられ、年によっては常温貯蔵より発生率が高くなることがある(図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 湿度が低いと果実が乾燥して貯蔵性が悪くなるため、貯蔵中は湿度を高く保つ必要がある。よって、本試験では湿度99%の条件下で行った。

  2. 常温貯蔵の温度条件(2006年)は、平均27.6℃(最高33.3℃、最低24.3℃)であった。

[具体的データ]

図1 貯蔵温度が`ハニーローザ'果実の果肉硬度に及ぼす影響

図2 貯蔵温度が`ハニーローザ'果実の食味不良果の発生に及ぼす影響
[その他]
研究課題名:早期産地化に対応したスモモ「ハニーローザ」の品質向上及び鮮度保持技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2005〜2008年度


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