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ハウスミカンにおける夜温の変温管理による燃料の節減


[要約]
ハウスミカンでは、満開後50日目から約100日目まで後夜半の最低温度を慣行管理より1〜4℃下げる変温管理で果実品質や収量を維持しつつ、燃料消費量が節減できる。

[キーワード]
ハウスミカン、最低温度、変温管理、燃料消費量

[担当]
鹿児島農総セ果樹・栽培研究室

[代表連絡先]電話0994-32-0179	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
ハウスミカンでは、近年の原油価格高騰に起因する燃料や農業用資材等の価格上昇により所得低下を招き、経営品目を見直す動きが見られる。原油価格高止まりの現況では、燃料の消費量を節減しコスト低減を図ることが急務である。そこで、ハウスミカンの収量や品質を維持しながら、燃料の消費量を節減できる低コスト栽培技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 夜温の変温管理は、慣行管理では最低温度を20℃以上に保持する期間のうち、満開後50日以降の後夜半(0〜6時)を20℃とし、慣行より1〜4℃の範囲で下げる(表1)。

  2. 収穫期の着色には差がなく、糖度は12.0度で当県の出荷基準を満たす(表2表4)。また、収量および階級割合は、慣行管理と同程度である(表3)。

  3. 10a当たり換算の燃料消費量は、後夜半の変温管理により節減できる。(表5)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 変温管理するためには、多段式サーモスタット(四段サーモ)が必要である。

  2. 燃料消費量は、加温開始時期、ハウスの規模、暖房機の性能や気象条件によって変わる。

  3. 12月下旬加温開始のハウス栽培では、7月中〜下旬の出荷が可能である。

  4. 供試品種は「かごしま早生」である。

[具体的データ]

表1 夜温の変温管理期間中の最低温度の比較(単位;℃)

表2 果実の着色程度
 
表3 収量および階級割合


表4 果実品質(2007年7月11日)


表5 燃料消費量(10a換算値、単位;リットル)

[その他]
研究課題名:ハウスミカン・パッションフルーツの高品質、低コスト施設栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2006〜2007年度


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