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トルコギキョウの初秋出し栽培における長日処理による切り花品質向上


[要約]
トルコギキョウの9〜10月出し栽培において、電球型赤色蛍光灯を用いた長日処理により花芽分化開始が抑制され、節数が増加し、切り花長も長くなり品質が向上する。長日処理方法は日の出前電照の品質向上効果が最も大きい。

[キーワード]
トルコギキョウ、長日処理、光源、R:FR比、開花抑制

[担当]
福岡農総試花き部・花き育種チーム

[代表連絡先]電話092-922-4958	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
トルコギキョウは長日処理に用いる光源の赤色光:遠赤色光の比(R:FR比)が低いほど開花が促進し、高いほど開花が遅延することから、花芽分化節位を調節することにより花茎長を制御できることを明らかにした(平成18年度成果)。本種の9〜10月出し栽培では、高温・長日による花芽形成の早進化などにより茎長の確保が難しく、切り花長の確保が重要な課題である。そこで、R:FR比の高い光源を用いた長日処理による、実用的な切り花品質向上技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 7月11日定植において、R:FR比の高い光源を用いた長日処理により、無処理と比較して、節数が約1節増加し、切り花長は最高で9.2cm長くなり、分枝数および有効花蕾数が増加する(表1図1)。8月7日定植においても、同様の切り花品質向上の効果がある(データ略)。

  2. 長日処理に用いる光源は、既存の白熱灯用電照設備が利用できるため、電球型赤色蛍光灯が実用的である。

  3. 長日処理は、いずれの電照時間帯においても節数が約1節増加するが、切り花長は、日の出前電照で無処理より11.4cm長くなり、品質向上効果が最も大きい(表2図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 電照時期は定植時から頂花の発蕾期までとする。

[具体的データ]

表1 光源の種類とR:FR比、並びに発蕾、開花および開花時の切り花形質(平成18年度)


表2 長日処理の時間帯と発蕾、開花および開花時の切り花形質(平成18年)

図1 光源の種類と生育・開花 図2 長日処理の時間帯と生育・開花

[その他]
研究課題名:トルコギキョウの作型適応性の検討と栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成18年度(平成16〜18年)


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