秋ギク低温開花性系統「神馬2号・長崎2」の特性
- [要約]
- 秋ギク「神馬2号」から選抜した「神馬2号・長崎2」は、草丈伸長性に優れ、2月開花作型において、消灯後、夜温を14℃に設定することで、「神馬2号」より7日早く収穫でき、摘芽、摘蕾数も少ない。
- [キーワード]
- 秋ギク、神馬2号、低温
- [担当]
- 長崎総農林試・作物園芸部・花き科
[代表連絡先]電話0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
- 現在、現地に普及している「神馬」については、生育期間中の低温遭遇期間の程度により、開花遅延が発生する。開花遅延を防止するため、花芽分化期前後の最低夜温を18℃以上に設定するなど、燃料使用量が増加し、経営を圧迫している。
- そのため、現地において、1月以降開花作型では、鹿児島県農業試験場(現鹿児島県農業開発総合センター)で選抜された低温開花性系統「神馬2号」が普及している。ただし、「神馬2号」は、生育の個体間差が大きく、秀品率の低さが問題となっている。
- そこで、「神馬2号」から低温開花性、伸長性に優れた有望系統を選抜し、その栽培特性を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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「神馬2号・長崎2」は、12月上旬開花作型において、「神馬2号」と同じ日に収穫でき、伸長性、90cm調整重に優れ、優良系統と判断できる(表1)。ただし、摘芽・摘蕾数は、「神馬2号」より多い。
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「神馬2号・長崎2」は、2月開花作型において消灯後、夜温を14℃に設定すると、「神馬2号」より7日早く収穫でき、伸長性に優れ、摘芽・摘蕾数も少ないため、低温開花性を持つ優良系統と判断できる(表2、図1)。
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[成果の活用面・留意点]
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「神馬2号・長崎2」は、現地試験を行う計画である。
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「神馬2号・長崎2」は、県外譲渡可能である。
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[具体的データ]

表1 12月開花における生育開花特性
表2 2月開花における生育開花特性

図1 2月開花におけるハウス内温度の推移
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[その他]
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研究課題名:無側枝性秋ギク「晃花の富士」の栽培技術確立
予算区分 :県単
研究期間 :2006〜2008年度
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