雨よけニガウリ栽培における後期収量安定のための施肥技術
- [要約]
- 雨よけニガウリ栽培では、かん水同時施肥を行い、さらに、水分センサーを用いてpF2.3をかん水開始点とし1mm/回かん水すると、全量基肥及び週1回追肥に比べて後期収量が多くなり、商品果率が向上する。
- [キーワード]
- ニガウリ、雨よけ栽培、施肥方法、かん水同時施肥、後期収量
- [担当]
- 大分農林水産研野茶・野菜担当
[代表連絡先]電話0974-22-0671
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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ニガウリはここ数年、消費量が増大しており、市場性のあるF1品種へと移行している。F1品種は在来品種と比較して樹勢が強いが着果数が多く成り疲れが起きやすいことから、誘引や整枝、施肥、追肥の方法の改善が求められている。そこで、後期収量安定を目的としてニガウリの適正な施肥方法を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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収穫期間を通しての商品果収量は7〜8t/10aであり、かん水同時施肥>週1回追肥全量基肥で、かん水同時施肥では、8〜10月の商品果収量が最も高い(図1)。また、草勢も低下しにくい。
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商品果率はかん水同時施肥>全量基肥>週1回追肥の順で高い。(図2)。
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根は、かん水同時施肥では株の両側に分布しているが、かん水チューブがうね内片側1条の全量基肥・週1回追肥では分布が偏る傾向が見られる(図3)。
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深さ0〜15cm層の土壌硬度については、かん水量が1mm/回のかん水同時施肥に比べると、かん水量が5mm/回の全量基肥・週1回追肥ではかん水チューブ側で値が大きく、土壌の圧密化がおきている(図3)。
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[成果の活用面・留意点]
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かん水同時施肥の施肥管理は、点滴チューブ(うね内2条)を用いて毎日1回N成分量で130g/10a、1mmのかん水と同時に施用する。水分管理は施肥とは別に接点出力式の水分センサーを用いてpF2.3をかん水開始点とし、1mm/回かん水する。
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[具体的データ]
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表1 試験別のN成分量(kg/10a)

図1 施肥方法別の商品果収量

図2 施肥方法別の規格割合

図3 施肥方法別のうね内断面の根量、土壌硬度、土壌水分の分布
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[その他]
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研究課題名:ゴーヤ(ニガウリ)の高品質安定多収技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2005〜2007年度
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