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「フローラル優香」の9月出し栽培における再電照時期と奇形花


[要約]
「フローラル優香」の9月出しで発生する奇形花は、再電照開始時期により影響される。再電照開始時期が総苞形成前期では奇形花の発生はわずかであるが、総苞形成中期および後期からでは、舌状花異常及び貫生花とも著しく増加する。

[キーワード]
キク、フローラル優香、再電照、舌状花異常、貫生花発生

[担当]
鹿児島農総セ・花き部

[代表連絡先]電話0993-35-0210	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
「フローラル優香」の9月出し栽培では、上位葉のボリュームが不足するため、その対策として再電照処理が行われている。しかし、舌状花異常および貫生花の発生による品質低下が問題となっている。そこで、再電照開始時期がこれら奇形花の発生に及ぼす影響について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 再電照によって、上位葉が大きくなり草姿改善がみられる(表1)。

  2. 舌状花異常の発生は再電照開始時期によって異なり、総苞形成前期からでは軽微であるが、総苞形成中期および後期からでは著しく増加する(表2)。

  3. 貫生花発生についても舌状花異常の発生と同じ傾向を示す(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 再電照4時間4日間での試験結果であり、再電照処理時間及び日数が長くなれば、総苞形成前期からでも奇形花の発生が増加する可能性がある。

  2. 舌状花異常の「甚」判定は、出荷不能な状況であり(図1)、「中〜軽・無」判定は出荷可能である。

  3. ガラス室内での高温条件下における無シェードでの試験結果であり、冷涼な条件では発生程度が軽くなる可能性がある(図2)。

[具体的データ]

表1  再電照開始時期が夏秋ギク「フローラル優香」の生育と開花に及ぼす影響


表2  再電照開始時期が「フローラル優香」の舌状花の異常及び貫生花発生に及ぼす影響


図1 舌状花異常状況(判定:甚)


図2 栽培期間中の温度推移

[その他]
研究課題名:低コスト型品種の栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2007年度


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