沖縄県の冬春期における有望切り花品目キンギョソウ
- [要約]
- 沖縄県の冬春期における雨除け施設栽培での新規導入切り花類として、キンギョソウが有望である。キンギョソウは年内出荷〜5月上旬までの長期間収穫が可能である。
- [キーワード]
- 冬春期、切り花類、キンギョソウ
- [担当]
- 沖縄農研・野菜花き班
[代表連絡先]電話098-840-8506
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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沖縄県では温暖な気候の特徴を生かし、キク冬春期出荷主体の生産を拡大してきた。しかし、近年の需要の減少を背景にキクの市場単価は低下傾向にある。そこで、有望な新規切り花類を選定して栽培技術を確立し、栽培品目の多様化を図ることをねらいとした。
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[成果の内容・特徴]
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11品目38品種を雨よけ施設にて試作した結果、秋定植・冬春期出荷作型において、最も有望と思われる新規切り花品目はキンギョソウである(表1)。
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キンギョソウは8月播種10月定植により年内出荷でき、5月上旬までの長期間収穫が可能である(図1-1、図1-2)。播種は8月30日、定植は10月下旬頃が適当であり、それより早いと高温長日により初花の切花長が短く、80cm以下のものが多くなる。メリーランドライトピンクのような極早生品種よりもバタフライイエローのような早生〜中早生品種で切花長が長く切花品質が良い(図2)。
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1月定植作型においては、電照による7〜11日程度の開花促進効果が認められる。切花長および切花重の低下が見られるが、ほとんどL規格であり切花品質に極端な影響は無い(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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多灌水による立ち枯れが発生しやすいため、灌水は控えめに行う。
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露地栽培は、立ち枯れ、茎曲がり、花の傷みなどが発生するため困難である。
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[具体的データ]
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表1 収量および品質(2004年度)

図1-1 品種別収穫ピーク(極早生品種)

図1-2 品種別収穫ピーク(早生〜中早生品種)

図2 播種時期別収量

表2 電照の有無と切り花品質
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[その他]
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研究課題名:新規切り花類の選定と栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2006年度
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