無施肥栽培された茶芽の茎の硬さおよびクロロフィル含有量等の特徴
- [要約]
- 無施肥栽培された茶芽は、慣行施肥栽培された茶芽より茎が硬く、三番茶ではその傾向が強くなる。また、クロロフィル含有量は少なく、製茶に伴うクロロフィルからフェオフィチンへの変化率は大きい。
- [キーワード]
- 無施肥、茎の硬さ、クロロフィル、フェオフィチン
- [担当]
- 宮崎総農試・茶業支場・栽培加工科
[代表連絡先]電話0983-27-0355
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]研究・参考
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[背景・ねらい]
- 環境への負荷を低減するため、茶の栽培においても施肥量の削減に向けた取り組みが行われているが、施肥量の削減が茶芽にどのような影響を及ぼすのか解明する必要がある。
- そこで、無施肥栽培条件下で栽培された茶芽における、茎の硬さやクロロフィル含有量等の特徴を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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無施肥栽培された茶芽は慣行施肥栽培された茶芽よりも茎が硬く、三番茶ではその傾向が強くなる(図1、図2)。
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無施肥栽培された茶芽のクロロフィル(Chl)含有量は、慣行施肥栽培された茶芽のクロロフィル含有量より少ない(図3)。
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製茶に伴うクロロフィルからフェオフィチン(Phy)への変化率は、慣行施肥栽培された茶芽より大きくなるが、同一茶期において施肥条件が異なっても荒茶のpHに大きな差がないことから、pH以外にもChlからPhyへの変化率に関与する要素があると考えられる(表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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減肥条件下における茶葉の特性を検討する際の参考となる。
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やぶきた成園(20a)のほ場を2分割し、1999年〜2002年は32kg/10a、2003年からは0kg/10aの窒素施用量で栽培したほ場の茶芽を無施肥区として、50kg/10aの窒素施用量で栽培した残り10aのほ場の茶芽を慣行区として、2005年より試験した結果である。
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[具体的データ]
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図1 茶芽の生育に伴う茎の硬さの推移

図2 調査部位

図3 生葉中のChl含有量

表1 ChlからPhyへの変化率と荒茶のpH
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[その他]
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研究課題名:みやざき茶地域対応型加工技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2007年度
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