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小ネギのネギハモグリバエに対する防虫ネットの最適目合い


[要約]
ハウスでの小ネギ栽培においては、防虫ネットの目合いが細かくなるにつれ、ネギハモグリバエに対する被害軽減効果は高くなる。しかし、夏場の高温を考慮すると、0.8mm目合いの防虫ネット被覆が最も効果的である。

[キーワード]
ネギハモグリバエ、小ネギ、防虫ネット、被害軽減効果

[担当]
大分県農林水産研安全

[代表連絡先]電話0978-37-1893	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
大分県では、施設栽培の小ネギは主力品目となっているが、近年ネギハモグリバエによる被害が問題となっている。ハウス内への侵入防止対策として、防虫ネットの利用が考えられるが、ネギハモグリバエに対する防除効果の報告はない。そこで、室内および現地小ネギハウスにおいて、有効な防虫ネットの目合いを検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. ネギハモグリバエ成虫は、1.0mm目合いの防虫ネットでは87.0%が通過するものの、0.8mm目合いの防虫ネットでの通過率は12.0%と大幅に減少する。さらに、0.4mm目合いの2種類の防虫ネットで成虫は通過できない(図1)。

  2. 現地小ネギハウスにおいて、0.4mmおよび0.8mm目合いの防虫ネットでは、ネギハモグリバエによる潜孔株数および吸汁痕株数は少ない。1.0mm目合いの防虫ネットでは被害軽減効果は認められるが、その効果は低い(図2)。なお、対無被覆区の被害度は、いずれの目合いの防虫ネットを被覆した場合でも、収量および品質に著しい差はない(データ略)。

  3. 目合いが細かくなるにつれ気温および湿度が上昇する傾向にあり、特に0.4mm目合いの防虫ネットでは最高気温が顕著に高い。また、0.8mm目合いと1.0mm目合いの防虫ネット間では、温湿度にほとんど差はない(表1)。

  4. 慣行の薬剤防除を行った条件下で、0.8mm目合いの防虫ネットを併用することにより、被害軽減効果が認められる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 効果の高い薬剤を選定したうえで、慣行の薬剤使用回数より削減が可能か検討する必要がある。

  2. 特に夏場の高温時に小ネギを播種すると、発芽率が低下することが懸念されるため、遮光資材との併用が望ましい。

[具体的データ]

図1 防虫ネットの目合いとネギハモグリバエ成虫の通過率の関係.


図2 各種防虫ネットを被覆した区のネギハモグリバエに対する被害軽減効果.


図3 0.8mm目合い防虫ネット被覆区と無被覆区におけるネギハモグリバエ被害株数の推移.


表1 各種防虫ネット目合いを被覆したハウス内気象

[その他]
研究課題名:小ネギの減農薬栽培技術確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度


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