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ニガウリ及びその乾燥粉末に含まれるγ-アミノ酪酸(GABA)


[要約]
ニガウリにはγ-アミノ酪酸(GABA)が含まれる。その量は未利用部位である種子及び胎座に多い。ニガウリ全果を用いた乾燥粉末は、GABAを多く含む食品素材として利用できる。

[キーワード]
ニガウリ、γ-アミノ酪酸、未利用部位、乾燥粉末、食品素材

[担当]
鹿児島農加セ・加工開発研究室

[代表連絡先]電話099-245-1138	
[区分]九州沖縄農業・流通加工	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
ニガウリの加工において、種子や胎座など利用されない部位が発生する。また、ニガウリの生産において、規格外品が約15%(平成16年産において約700トン)発生する。
これら未利用部位と規格外品の有効利用技術確立が、食品加工業者や農業者から要望されている。
そこで、未利用部位と規格外品の高付加価値化を図るために、これらに含まれる機能性成分を検索し、さらに機能性成分を有効利用するための加工技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. ニガウリにはγ-アミノ酪酸(GABA)が含まれる(図1)。その量は特に未利用部位である種子及び胎座に多く、可食部の約6倍含まれている。

  2. 収穫が遅れた果実(夏期において適期より4〜5日遅れた果実)でも、GABA量は変わらない(データ略)。

  3. ニガウリを丸ごと3mm厚にスライスし、50℃下で24時間通風乾燥後にハンマーミルで粉砕すると、緑色を保持した乾燥粉末が調製できる(図2)。

  4. 乾燥によりGABA量は約10倍に濃縮される(表1)。乾燥粉末のGABA量は、GABAが多いと言われている発芽玄米(10〜20mg/100g乾物重)に比べて著しく多い。

[成果の活用面・留意点]
  1. ニガウリの乾燥粉末はふくれ菓子やかりんとうなどの食品素材として利用できる。

  2. ニガウリを乾燥粉末化して保存性を高めることにより、ニガウリ加工品の周年供給が可能になる。

  3. 乾燥温度が60℃を上回ると、緑色が退色する可能性がある。

  4. 種衣(種子を包んでいるスポンジ状の組織)が赤く着色した果実を用いると、乾燥粉末の色調が悪くなる。

  5. 乾燥前に原料を充分に洗浄して、異物や微生物を除去する必要がある。

[具体的データ]

図1 ニガウリの各部位に含まれるGABA量


図2 ニガウリ乾燥粉末の製造法


表1 ニガウリの乾燥によるGABA量の変化

[その他]
研究課題名:ニガウリの生理活性成分を活かした機能性素材化技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2005年度


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