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◇ フィールドインフォマティクス
◆ 生産・管理システム
◇ 家畜生産機能制御
◇ 作物ゲノム育種
◇ 果樹ゲノム育種
◇ 花卉新育種資源作出・利用

生産・管理システム研究分野の概要
・センシング技術の高度化による精密圃場管理に基づく知識集約型省力的作物生産技術の確立
・作物生産における超省力・低コスト・環境負荷低減型農業システムの開発
・ナノテクノロジー,バイオテクノロジー,IT等を活用した計測制御手法の確立



重田一人 (教授)
 従来の農業生産では,収益性の向上と環境負荷の低減はトレードオフの関係と言われていますが,環境との共生なくして農業生 産が存続できない時代に入っています.しかも少子・高齢化時代を迎え,培われてきた篤農的栽培技術の継承が困難になっています.これらの課題に対して,作 物や圃場状態に合わせた肥培管理と無駄のない防除技術で解決を図る管理体系があり,精密圃場管理技術と呼んでいます.この農業技術を実現するには,圃場や 作物の情報を迅速にかつ省力的にセンシングして視覚化し,生産者の意思決定を支援しなければなりません.また,メカトロニクスを活用した農業機械の制御技 術も不可欠です.
 この講座では,精密圃場管理技術の基本技術について学びます.具体的には,野菜・果樹を介して面的に広がりのある作物の個々の位置を特定する技術,葉 色,樹体などの計測技術,肥料・農薬を適正に散布する農業機械の制御技術です.そして,その技術を活用して,勘と経験に頼らない戦略的でかつ環境に調和し た次世代の知識集約型生産技術を探ります.
図: クリックすると拡大してご覧いただけます.


深津時広 (教授)
 21世紀型農業では、圃場の環境情報・作物の生育情報・鳥獣が病害虫などの外敵情報・生産管理のための農作業情報といった多様な情報を取り扱うことで、個々の現場に基づいた効率的・効果的な農業を行うことができます。このようなスマート農業を支える技術として、ICT・RTを活用した農業センサネットワークや高精細画像モニタリング、圃場移動計測システムなどの研究に現在取り組んでおります。研究対象としては、基本計測要素技術の創出から農業ビッグデータの構築や活用、現場普及に向けた開発など幅広く行っています。実圃場を対象としたフィールドセンシング技術を構築することで、ラボレベルで行われてきた実験や技術をフィールドレベルに広げることができ、これからの農業現場や農業研究に大きく寄与する研究を目指していきます。


乙部和紀 (准教授)
  「ナノテクは,バイテクやITと比べて難解で,何の役にたつのかよくわからない」という意見をよく耳にします.たしかに, ナノテクは日常経験できないスケール(10億分の1メートル)の現象も対象にするため,イメージできないのは無理もありません.しかし,よく考えてみる と,バイテクやITに関わる現象を理解し,イメージしながら利用している人がどれだけいるでしょうか?
 ナノテクもバイテクもITも,平たく言えば「工学」の一分野であり,農業技術への応用という観点では,単なる「役立つ技術」のひとつに過ぎません.そこ で肝心なのは,プロトコル(手順)化された技術や知識を身につけることもさることながら,様々な問題解決に応用できる「イメージ力」を,実践を通して磨く ことです.
 私の担当では,農業における生産・管理システムを工学の視点で捉え,工学の基本である計測・制御技術としてのナノテクを中心にすえて実践的に指導しま す.その過程では,ナノテクを農業技術に取り入れる際に関係する,バイテクやITに関する基礎知識・技術のトレーニングと,具体的な実施例による問題解決 能力のトレーニングを予定しています.