イノシシの生態解明と農作物被害防止技術の開発
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イノシシによる被害

  1. イノシシ被害の推移
  2. 獣害の中でのイノシシ害の割合
  3. 作物別に見たイノシシの被害
  4. 被害をおよぼす作物の範囲

イノシシの被害は西日本で甚大であることが分かる。

北陸や東北からは被害が報告されていないが、分布が広がっているという報告もあり、今後被害が発生するおそれがある。

関東では近年被害が拡大しつつある。西日本に比べ、イノシシに対する被害対策が十分でないため、今後被害が拡大するおそれがある。
平成16年度、イノシシの県別被害面積(ha)
農林水産省生産局「野生鳥獣による農産物被害状況」統計より作成。

1.イノシシ被害の推移
農林水産省生産局「野生鳥獣による農産物被害状況」統計より作成。
被害量は増加傾向にあるが、ここ5年間程度は横ばいといえる。被害面積もほぼ横ばいだが、ここ5年間ではやや現象傾向にある。被害金額も平成15年度は少なかったが、それ以外はおおむね横ばいといえる。

これらの表から、イノシシの被害はおおむね横ばい状態であることが分かる。

しかし、遊休農地や中山間地で放棄農地が増えていることを考えると被害は拡大しているともいえるかもしれない。


2.獣害の中でのイノシシ害の割合(平成16年度)
農林水産省生産局「野生鳥獣による農産物被害状況」統計より作成。
被害面積、被害量ではシカについで2番目だが、被害金額では1番目となる。これはシカの被害が森林であるため、面積や量で大きくなるのに対し、イノシシでは水田や果樹であり、作物単価が高くなるためと考えられる。

いずれにしても、イノシシの被害が獣の中でもトップクラスであることは疑いない。


3.作物別にみたイノシシの被害(平成16年度)
農林水産省生産局「野生鳥獣による農産物被害状況」統計より作成。
イノシシの被害は主に、イネ、果樹に及ぶ。しかしながら、それ以外の畑作物にも被害を及ぼし、被害は多方面に及ぶ。

4.被害をおよぼす作物の範囲
 江口祐輔著「イノシシから田畑を守る」より抜粋。
穀類 イネ、トウモロコシ、ソバ、ムギ、マメ類
野菜類 イモ類、ナス、大根、コンニャク、キャベツ、カボチャ、トマト、人参、白菜、キュウリ、ラッカセイ、スイカ、イチゴ、タケノコなど。
果物 ミカン、リンゴ、ブドウ、カキ、モモ、ナシ、クリ。
その他 シイタケ、ワサビ、茶、葉タバコなど。