各指標や表示方法の説明について
このデータベースをご利用するにあたって

 このデータベースで使用している各指標は以下にある1〜5に基づいて算出しており、施用前の値および施用後の推定効果として示しています。そのため使用条件や利用環境により、その効果は変わります。また肥料成分に準ずる肥料代替指標については、それぞれの資材に含まれている成分量を保証するものではありませんが、参考値として用いてください。

1.短期物理性および長期物理性指標について

 有機質資材に含まれる酸性デタージェント繊維(ADF)は施用後3ヵ月間以上残存する有機物に相当し、酸性デタージェントリグニン(ADL)は施用後3年間以上残存する有機物に相当します。残存する有機物、すなわち有機質資材の施用による土壌有機物増加量は、仮比重の減少、孔隙率や保水力の増加といった土壌物理性の改善効果と関係があります。そのため、このデータベースではADF含有量を施用年度を中心に効果がある短期的な物理性改善効果の指標として、ADL含有量を連用により効果がある長期的な物理性改善効果の指標として示しています。

2.窒素代替指標および窒素肥沃度指標について

 酸性デタージェントにより抽出される有機態窒素(AD可溶窒素)を元に計算された窒素と無機態窒素を合計した肥効窒素1)(30℃12週培養無機態窒素相当:下式参照)は、施用年度内に作物が利用可能な窒素に相当します。また、肥効窒素以外の窒素は、施用年度以降まで土壌中に残存した貯留態窒素として、将来的に土壌可給態窒素の増加に寄与する窒素に相当します。そのため、このデータベースでは肥効窒素を窒素の代替指標として示し、貯留態窒素を窒素肥沃度の指標として示しています。

*肥効窒素(30℃12週培養無機態窒素相当)=0.75×AD可溶有機体窒素-11+アンモニア態窒素

3.保肥力増加指標について

 有機質資材を施用した土壌の陽イオン交換容量(CEC)増加量は、施用した有機質資材の陽イオン交換容量(CEC)と一致します。そのため、このデータベースでは各有機質資材が持つ陽イオン交換容量(CEC)を保肥力の増加指標として示しています。

4.その他の肥料代替効果指標について

 窒素以外のリン酸、カリ、石灰、苦土については、おおむね有機質資材の成分量が化学肥料成分量に相当します。そのため、このデータベースでは成分含有量を肥料の代替指標として示しています。

5.易分解性有機物指標2)について

 有機質資材中の酸性デタージェント可溶性有機物(ADOM)が200mg/g乾物未満では、14日間の間に分解がほとんど進行しませんが、200mg/kg乾物以上では還元障害や一次的な窒素飢餓などのリスクが高まる可能性があります。このデータベースではADOM含有量を易分解性有機物の指標として示しています。

6.有機質資材のランクについて

 有機質資材全体の平均値と標準偏差を基に正規化し、各資材の値を正規化して平均を3とし、地力効果指標は0~5の6段階、肥料代替指標は0~10の11段階で類型化して表示しています。