飼養管理によるサルモネラ防除技術


[要約]

特産鶏を収容した平飼い鶏舎で、プラスチック製ネット床の平飼い鶏舎では、落下細菌数が土間よりも、87%減少した。また、種卵にサルモネラを6×10CFU塗布し、弱酸性機能水に3分間浸漬した結果、菌数が検出限界以下となり、消毒効果が認められた。

[キーワード]  鶏、サルモネラ、弱酸性機能水
[担当] 静岡県中小家畜試験場・養鶏研究スタッフ
[連絡先] 0537-35-2291 
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

駿河若シャモ生産現場においてサルモネラを排除するためには、鶏舎内及び鶏体内の両面からの対策と、清浄な種卵の生産が必要である。そのため、鶏舎内環境及び鶏体内のサルモネラ汚染防止技術を検討し、種卵生産にHACCP システムを導入して安全な地域特産鶏の生産体制を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 地域特産鶏を収容した平飼い鶏舎で、床をプラスチック製ネット床にした結果、鶏舎内の落下細菌(一般細菌及びブドウ球菌)数は対照区の338 CFU/plateに対し、ネット区では44 CFU/plate(87%減)と、落下細菌数が減少し、鶏舎内清浄化の効果が認められた(図1図2)。
  2. 出荷体重には差はなかった。
  3. 地域特産鶏種卵にサルモネラ6×10CFUを塗布し、機能水及び水道水に3分間浸漬した結果、対照区では7.4×10CFU回収されたが、機能水区では検出限界(<20CFU)以下となり、機能水による消毒効果が認められた(図3)。
  4. また、機能水浸漬(5分間または10分間)による種卵のふ化への影響はみられなかった(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 地域特産鶏の平飼いで、床をネット床にして、鶏舎内の落下細菌数を減少させることにより、鶏舎内環境の改善が期待できる。
  2. 地域特産鶏の種鶏場において、弱酸性機能水を用いて、種卵を浸漬することにより、サルモネラを減少させることができる。

[具体的データ]

*: 検出限界<20CFU)以下

[その他] 

研究課題名

:飼養管理によるサルモネラ防除技術の検討

予算区分

:国補(新技術)

研究期間

:1999〜2001 年度       

研究担当者

:松下幸広、池谷守司

発表論文等

:なし


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