産卵性の高いアロウカナの作出


[要約]

アロウカナを産卵性と卵殻色で7世代選抜した結果、産卵率は31.9%から65.4% に倍増した。一方、卵殻色は多少濃くなる傾向にあるが、大きな改良効果は得られなかった。しかし、白色レグホーンとの交雑鶏と比較した場合容易に識別できた。

[キーワード] アロウカナ、産卵性、卵殻色、選抜
[担当] 群馬畜試・中小家畜部・改良技術課
[連絡先] 027-288-2222
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

特殊卵用鶏の一つであるアロウカナは、白色レグホーンとの交雑鶏として各地で利用されている。しかし、産卵後期においては卵殻色の退色が著しいことや、純粋種志向の高まりから産卵性の高いアロウカナ純粋種への要望が強くなってきた。
平成6年度からアロウカナ純粋種の改良を、産卵率で60%(短期検定、年間概ね200個)を目標とし、産卵性や卵殻色を基準に選抜を実施し、今年度までに産卵性の高いアロウカナ純粋種を作出した。

[成果の内容・特徴]

  1. 産卵率は7世代の選抜で、31.9%(G1世代)から65.4%(G7世代)に倍増した。卵重は微増で概ね50gとなった。体重も微増し1.69kg(G1世代)から1.75kg(G7世代)と、白色レグホーンと同等の大きさとなった(表1)。
  2. 卵殻色の選抜は、卵殻色の薄いものやぼやけたものを排除する方法で実施したが、改良後の明度(L*)と赤味(a*)、が若干低下し、多少卵殻色が濃くなる傾向が見られたが、大きな改良効果は得られなかった(表1)。
  3. アロウカナ交雑鶏との比較では、産卵率で約4%低く卵重で約5g小さくなったが、L*値で6.3、a*値で2.6と卵殻色が濃く、交雑鶏とは容易に識別できた(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 改良したアロウカナの卵殻色は交雑鶏と容易に識別でき、特殊卵として直売等による利用価値が高い。
  2. 産卵に季節性があり、冬期に産卵数が低下するため光線管理により産卵低下を抑制する必要がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:品種改良及び品質改善に関する研究

予算区分

:県単

研究期間

:1994〜2001年度

研究担当者

:後藤美津夫、松本尚子、加藤一雄、北爪浩三、松原英二

発表論文等

:後藤美津夫(2001)群馬畜試研報 8:投稿中


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