[要約]
酒造好適米用品種「総の舞」は、早期栽培での熟期が中生で、耐倒伏性、いもち病抵抗性及び耐冷性が強い。玄米千粒重は26gで粒厚が厚く、多収である。心白発現率は70〜90%で、心白はやや小さく、酒造適性に優れるため奨励品種に採用する。
[キーワード] | 総の舞、早期栽培、酒造好適米、耐倒伏性、いもち病抵抗性、耐冷性、多収 |
[担当] | 千葉農総研・育種研究所・水稲育種研究室、千葉工試・醸造課 |
[連絡先] | 0478-56-0002 |
[区分] | 関東東海北陸農業・関東東海・水田畑作物 |
[分類] | 技術・普及 |
[背景・ねらい]
千葉県の平成12年産酒造好適米用品種(以下,酒米品種)の作付面積は、奨励品種の「若水」を主体に奨励品種外の他県育成品種を含めて38ha、生産量は約200tである。県内の酒造メーカーは使用する約600t/年の酒米の多くを県外から購入しているが、千葉県独自の酒米品種を使った清酒の醸造を望んでいる。一方、一部の生産者では付加価値の高い酒米生産への要望が強く、生産した酒米を地元の酒造メーカーに供給し、純千葉県産の清酒を醸造、販売する試みも始まっている。しかし、奨励品種の「若水」は早期栽培では熟期が遅く、水利条件から栽培地域が限られる。また、千葉県産の「若水」は心白が大きく、吟醸酒用原料に適さないほか、浸漬時に割れがみられること、吸水速度が早いこと等酒造適性がやや劣る。そこで、千葉県では酒米を地域特産米に位置づけ、「はなの舞い」並の早生から「コシヒカリ」並の晩生の熟期で、栽培特性に優れ、早期栽培の高温登熟下で良質多収な酒米品種の育成を行う。
[成果の内容・特徴]
[成果の活用面・留意点]
[具体的データ]
[その他]
研究課題名 | :水稲の新品種の育成と優良品種の選定 |
予算区分 | :県単 |
研究期間 | :1993〜2001年度 |
研究担当者 | :小山豊、和田潔志、西川康之、林 玲子、渡部富男、長島 正、星野徹也、中田裕之、飯嶋直人、加藤茂宏 |
発表論文等 | :種苗法に基づく品種登録申請(2000年12月) |