玄米を用いた餅、米菓の作り方


[要約]

モチ玄米を精米器で処理して果皮剥離しその後水浸漬1時間、ミキサーで粗く米粒破砕、水分調節することにより餅、米菓を作ることができる。また、これらは健康に良いとされる成分を含むことが期待される。

[キーワード] 玄米、果皮剥離、米粒破砕、水分調節、餅、米菓
[担当] 福井農試・食品加工研究所・技術開発研究グループ
[連絡先] 0776-61-3539
[区分] 関東東海北陸農業・北陸流通加工
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

近年、玄米やその加工品が健康に良い食品として見直されつつあり、市販品もみうけられるが、加工性や嗜好性の悪さが普及上のネックとなっている。高価な設備を導入し、玄米を用いて餅や米菓を製造する方法がいくつか提案されているが、小規模な量の米で簡易かつ嗜好性の良い製品を作る方法は見あたらない。
一方、農家や一般家庭では精米に準じた方法で玄米餅や米菓が作られているが、良い製品を作ることは困難である。そこで、玄米を用いて手軽にできる餅や米菓の作り方を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 本法は玄米を循環型精米機で処理する(白米の1/5の時間)ことによる果皮の表層剥離(歩留99%)、1時間水浸漬、ミキサーによる米粒の粗い破砕、木綿布等で破砕米 を搾り水分40%に調整する点に特徴がある(図1)。
  2. 一般的な調理器や器具を用いて作ることができる。フローシートを図1に示す。
  3. 玄米のとう精では精米歩留が高ければ食物繊維、脂肪酸、ミネラル、ビタミン等の健康に良いとされる成分の含量が高まることが知られており(参考表)、本法ではほぼ玄米を用いた場合に匹敵するものと考えられる。
  4. 本法による餅や米菓は官能評価の総合値が普通〜やや良いことが示唆される(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 処理時間や水分含量は基準を守る。基準を外れると、作業性や食味の低下を招くので注意する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :穀類のブレンドによる品質安定化と新製品開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001年度
研究担当者 :平井?一、杉本雅俊
発表論文等 :なし

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