もみ殻くん炭を利用した低コストな花壇苗培養土


[要約]
もみ殻くん炭を利用して花壇苗培養土を作る場合、もみ殻くん炭60%、ピートモス30%、赤土10%(いずれも容積比)を混合すれば良い。その場合、鉢上げ時に化学合成緩効性肥料を1リットルあたり窒素0.4g置き肥することによって良質の花壇苗が生産でき、コストも低く抑えることができる。

[キーワード]もみ殻くん炭、花壇苗培養土、化学合成緩効性肥料

[担当]山梨総農試・高冷地分場・花き花木科
[連絡先]電話 0551-20-2050
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 近年、花壇苗需要が増加し、生産も年々増えている。しかし、単価の低い花壇苗を生産するにあたり、その収益性を向上させるためには生産費を抑えることが必要となる。生産費のうち、培養土に占める費用は生産者の工夫によってコスト削減が可能である。
そこで、より安価で安定的な花壇苗生産を行うためにもみ殻に着目し、養液栽培などで活用されているもみ殻くん炭を配合した培養土での花壇苗生産について検討を行う。

[成果の内容・特徴]
1. 培養土中にもみ殻くん炭を70%混合しても、花壇苗の生育に差はみられない(表1)。
2. 培養土中にピートモスを30%配合すると含水率が高くなり、保水性の良い培養土となる(表1)。
3. もみ殻くん炭60%、ピートモス30%、赤土10%(いずれも容積比)を混合した培養土は、周年を通して花壇用苗物栽培に適している。
4. 施肥は化学合成緩効性肥料を用いて培養土1リットルあたり窒素0.4gの施用が、苗の生育および価格面から適する(表2)。
5. 3号鉢あたりの培養土単価は2.2円、1トレイ(3号鉢24鉢入り)あたりの重量は2.3kgとなり、低コストおよび軽量化が図れる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. もみ殻くん炭はカリウムを多く含んでいるので、苦土/カリ比を保つため、またpH調整のために、培養土1リットルあたり苦土石灰1gを混合する。
2. もみ殻くん炭は、均一に焼かれたものを用いる。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:未利用資源を活用した花壇苗用土
予算区分:県単
研究期間:2000〜2002年度
研究担当者:小牧祐子、堀内浩明、秋山康三

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