ブドウ有核「巨峰」の平行整枝長梢せん定栽培


[要約]
平行整枝長梢せん定栽培は長梢せん定した結果母枝を直線上に誘引し、平行に配置する技術である。「巨峰」の有核栽培では、結果母枝列を1.5m間隔とし、結果母枝列1m当たり5房着房させることで収量、果実品質が確保できる。

[キーワード]ブドウ、有核栽培、平行整枝、結果母枝、省力化

[担当]愛知農総試・園芸研究部・落葉果樹グループ
[連絡先]電話0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 「巨峰」の無核化栽培では、平行整枝短梢せん定栽培法が導入され、省力化に大きく貢献している。しかし、有核の短梢せん定栽培法は樹勢調節が難しいため、自然形整枝法が採用され、作業の省力化が困難となっている。そのため、有核「巨峰」栽培において、作業の省力化を目的とした平行整枝長梢せん定栽培技術を確立し、規模拡大や雇用労働主体による栽培管理を可能とする。

[成果の内容・特徴]
1. 平行整枝長梢せん定栽培とは、長梢せん定した結果母枝を直線上に誘引して平行に配置する栽培方法である(図1)。
2. 労働負荷の大きい摘粒、花穂整形、誘引の作業時間が短縮できる(表1)。
3. 収量性、果実品質から判断すると、結果母枝列の間隔は1.5mが適当である(表2)。
4. 収量を確保するためには、1.5m間隔の場合、結果母枝列1m当たり5房着房させる(表2)。
5. 平行整枝としても、自然形整枝と同程度発芽する(データ略)。1.5m間隔の場合、結果母枝を2重に重複させ(図1中)、芽かきを行うことで必要な新梢数が確保できる。

[成果の活用面・留意点]
1. 優良な新梢を確保するためには、芽かき作業が必須である。その他の肥培管理は慣行の有核「巨峰」栽培に準ずる。
2. 樹勢調節が必要な有核「巨峰」だけでなく、他品種への適用も期待できる。
3. 自然形整枝の既存樹を樹形改造することで活用ができる。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:落葉果樹の省力、高品質安定栽培技術
予算区分:県単
研究期間:2000〜2004年度
研究担当者:大野郁夫、成田秋義、上林義幸、江崎幾朗、高瀬輔久

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