宿根アスター新品種「シルキースターパール」「シルキースタースノー」


[要約]
宿根アスター新品種「シルキースターパール」は9月上中旬咲き、「シルキースタースノー」は9月中下旬咲きの早生白色品種である。両品種を組み合わせて栽培することにより、需要の高まる秋の彼岸向けに継続した出荷が可能である。

[キーワード]宿根アスター、新品種、シルキースターパール、シルキースタースノー

[担当]群馬農技セ・生産技術部・花きグループ
[連絡先]電話0270-62-1021
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 宿根アスターは、主に添え花として利用される切り花で、栽培も比較的容易であることから新規作物として導入しやすい品目であるが、収穫適期が短く、継続した出荷が難しい。また、既存の白色品種は9月下旬以降に開花するものが多いことから、それ以前の9月上旬から中旬に開花し、需要が高まる彼岸に向けて、既存品種との組み合わせにより秋季に継続的出荷が可能な品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 育成経過
 県単独の海外優良種苗・遺伝資源導入事業により導入した「スノースター」を母親、農水省野菜・茶業試験場より導入した「ホワイト」(ユウゼンギク)を父親として1991年に交配、採種を行った。その後、開花時期、花色、花形、耐病性、切り花品質等を重点に選抜を行い、2系統を選出し特性調査を行った。2002年9月にその特性が安定していることを確認し、2004年4月に品種登録を出願した。
2. 品種の特性
1) 7月上旬の刈込みで「シルキースターパール」が9月上中旬、「シルキースタースノー」が9月中下旬に開花する早生種である(表1)。
2) 切り花長は優良規格の80cm以上を得ることができ、中心茎の草型も理想とされる円錐形である(表1)。
3) 花弁の色は両品種ともに黄白で、鮮やかに発色する(表2図1)。
4) 舌状花数が多いため舌状花間の隙間が少なく、花の見栄えが良い(表2図1)。
5) 特に問題となるうどんこ病は、栽培期間中、新品種、対照品種ともに発生が見られなかったことから、うどんこ病耐病性は対照品種と同等以上と思われる(データ省略)。

[成果の活用面・留意点]
1. 品種登録出願中であり、栽培には群馬県との許諾契約が必要である。なお、当面は県内の生産者に栽培を限定する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:花きの品種育成,宿根アスターの白色系品種の育成
予算区分:県単
研究期間:1991〜2003年度
研究担当者:小林智彦、春山実、渡邊康浩
発表論文等:品種登録出願日2004年4月1日、出願番号第16882号(シルキースタースノー)、第16883号(シルキースターパール)

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