砂丘畑におけるネギ栽培の株元施肥による減肥法


[要約]
砂丘畑のネギ栽培において、「被覆尿素入りネギ専用肥料」を使用した植え溝への少量株元施肥は、慣行畦間施用に比べ施用回数が2回増加するが、M品以上の収量性を落とさず施肥量削減を図ることが可能な施肥方法である。

[キーワード]砂丘畑、ネギ、被覆尿素入り専用肥料、株元施肥、施肥量削減

[担当]新潟農総研・園芸研究センター・栽培施設科
[連絡先]電話0254-27-5555
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 ネギの普通土壌畑栽培においては、肥効調節型肥料の全量基肥施用により約2割の減肥が可能である。しかし、砂丘畑では保肥力に乏しく、流亡等により全量基肥減肥栽培は難しい。そこで、砂丘畑における連結ペーパーポット育苗に対応した効果的減肥技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 追肥は「被覆尿素入りネギ専用肥料(14-10-13)被覆尿素(LP40)窒素成分2%」を使用し、1回当りの施用量は、20kg/10aである。
2. 施用間隔・回数は、在ほ期間約150日では根付け肥散布後15〜20日間隔で7回施用する(表1)。
3. 定植位置(作条)が溝状態の時点では植え溝施用する。土寄せにより株元が盛り上がった状態以降は、作条へトップドレッシングする(図1)。
4. 慣行畦間施用と比べM品以上の収量・品質は同等であり、かつ慣行畦間施用の27%の施肥量削減が図られる(表1図23)。

[成果の活用面・留意点]
1. 適用地帯は砂丘土壌とし、スプリンクラーかん水が可能なほ場とする。また、過剰なかん水による肥料流亡には十分注意する。
2. 施用間隔が伸びると肥料切れを起こすので、施用量及び施用間隔は厳守する。
3. 土寄せは、肥料施用毎に実施する必要はない。
4. 根付肥は、定植7〜10日後慣行に準じて速効性窒素肥料で窒素成分量2〜3kg/10aを植え溝施用とする。
5. 施用量を増加させると、病害等の規格外が増加する場合がある。
6. 定植前に窒素肥料の施用は不要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:ネギチェーンポット栽培における低コスト栽培技術等の開発
予算区分:県単
研究期間:2001〜2003年度
研究担当者:田崎義孝

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