フィプロニルに抵抗性を有するイネドロオイムシの発生とその防除対策


[要約]
新潟県内の一部地域でフィプロニルに抵抗性を示すイネドロオイムシの発生が確認された。この抵抗性個体群に対してはジノテフラン剤、カルタップ剤、ベンフラカルブ剤が有効である。

[キーワード]イネドロオイムシ、フィプロニル、薬剤抵抗性

[担当]新潟農総研・作物研究センター・栽培科
[連絡先]電話0258-35-0047
[区分]関東東海北陸農業・北陸・生産環境
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 2002年に新潟県内の吉川町、羽茂町でイネドロオイムシに対してフィプロニル剤の防除効果が著しく劣る事例が認められた。2001年に山形県で本種のフィプロニル抵抗性が確認されていることから(上野・斎藤、2002)、これら地域の個体群もフィプロニル抵抗性である可能性が考えられる。この抵抗性の有無を確認するとともに、有効な薬剤を選定する。

[成果の内容・特徴]
1. フィプロニル剤の防除効果が劣ることが確認された地域のイネドロオイムシはフィプロニルに抵抗性である(表1)。
2. 抵抗性イネドロオイムシに対しては、フィプロニル剤の殺虫効果は低く(図1)、圃場での防除効果も著しく劣る(図2)。
3. 抵抗性イネドロオイムシに対しては、カルタップ剤、ジノテフラン剤、ベンフラカルブ剤の育苗箱施用が有効である(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. フィプロニル抵抗性イネドロオイムシの発生地域における薬剤選定の参考となる。
2. 上記以外の薬剤の防除効果については未検討である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:主要農作物における難防除、突発的発生病害虫の発生予察と防除技術の確立
予算区分:県単・経常
研究期間:2002〜2003年度
研究担当者:石本万寿広、永瀬淳
発表論文等:石本ら(2004)北陸病虫研報53:37-42.

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