ダイコン乾燥用台車の改良とその作業姿勢改善効果


[要約]
ダイコンの洗浄後に用いる乾燥用台車を架台が上下するように改良し、積載・搬出作業時に生じる腰曲げ作業の軽減を図った。平行クランク機構とスプリングを組み合わせて改良した台車は架台への積載荷重が偏っても水平を維持しながら上下に作動する。

[キーワード]ダイコン、乾燥用台車、改良、腰曲げ作業改善

[担当]神奈川農技セ・経営情報研究部
[代表連絡先]電話 0463-58-0333
[区分]関東東海北陸農業・作業技術
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 神奈川県三浦半島地域では、ダイコンの収穫から出荷までの作業は個別農家で実施しており、通常、収穫したダイコンを洗浄した後に台車に積載し、乾燥後に搬出、箱詰めを行う。この乾燥用台車へのダイコンの積載と搬出は腰曲げを強いられる重労働となり、その改善が求められている。そこで、水平を維持しながら上下に作動するよう乾燥用台車の改良を行い、その作業姿勢改善を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 改良は、市販のダイコン乾燥用台車に施す(図1)。
2. 改良した部分は、架台部、平行クランク、スプリングで構成され、アタッチメントとして装着する(図1表1)。
3. 積載荷重が0kgのときの地面から架台上部までの高さは、市販台車では34cmであるのに対し、改良台車は70cmとなる。また、改良台車は90kg以上(ダイコン50〜80本程度)積載したとき架台下部が台車底面に接する。(図2
4. 改良台車は積載位置を不均等にしても架台部は傾くことなく水平を保ちながら稼働する(図2)。
5. 改良台車を用いると、ダイコン箱詰め作業時に腰部前傾角度40°以上の腰曲げ姿勢が大幅に減る(図3図4)。
6. 箱詰め作業能率は、市販台車と改良台車で同等である。

[成果の活用面・留意点]
1. 製品は市販のダイコン乾燥台車へのアタッチメントとして発売予定である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:農作業の省力・機械化技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2000〜2005年度
研究担当者:深山陽子、山中朗子、米山 裕

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