黒毛和種肥育牛仕上げ期の稲わら代替飼料に牧草ストロー類が使用できる


[要約]
ライグラスやトールフェスクの採種後のストローを黒毛和種肥育牛の粗飼料として、26ヶ月齢から出荷時まで給与しても、稲わら給与に比べて、飼料摂取量、日増体量、枝肉成績及び肉質分析結果に関して、大きな相違は見られない。

[キーワード]ライグラス、トールフェスク、粗飼料、稲わら代替飼料、肉用牛

[担当]神奈川畜技セ・畜産工学部
[代表連絡先]電話046-238-4056
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(大家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 口蹄疫の発生等により、近年輸入稲わらの使用が困難な状況になっており、これに代わる粗飼料の確保が必要である。そこで、入手が容易であり栄養成分・性状が稲わらに近いストロー類を用いて黒毛和種肥育牛に対し給与試験を行い、稲わら代替飼料としての可能性を検討する。

[成果の内容・特徴]
 稲わら、ライグラスストロー及びトールフェスクストローを粗飼料として用い、黒毛和種肥育牛各2頭に対して26ヶ月齢より出荷時まで自由摂取による給与を行い、飼料摂取量、日増体量、枝肉成績及び肉質について調査する。
1. 日増体量について
日増体量は、トールフェスクストロー給与区が他区に比べやや大きいが、全試験区間で有意差は見られない(表1)。
2. 飼料摂取量について
全試験区間で大きな差は見られない。(表1
3. 肉質について
枝肉格付はトールフェスクストロー給与区が最も優れているが各区とも大きな差は見られず、胸最長筋成分分析結果においても全試験区間で有意差は見られない。(表2表3

[成果の活用面・留意点]
1. ライグラスストロー及びトールフェスクストローの26ヶ月齢以前からの給与による日増体量、肉質等への影響については検討していない。
2. すべての供試牛に対し、25ヶ月齢以降は1日当たり10,000IUのビタミンAを給与。
3. 供試頭数が少ないので、今後さらにデータを重ねていく必要がある。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:稲わら代替飼料の給与試験
予算区分:県単
研究期間:2003〜2004年度
研究担当者:水宅清二・江川壽夫・秋山清・折原健太郎
発表論文等:水宅ら(2004)平成16年度試験研究成績書(繁殖工学・乳牛・肉牛・飼料作物):39-42

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