芳香性スイートピー新品種「スイートスノー(仮称)」、「スイートピンク(仮称)」の育成


[要約]
冬咲き性の芳香性スイートピー新品種「スイートスノー」は花色が白色で、やわらかく甘く粉っぽい香りをもつ。「スイートピンク」は明紫赤と紫ピンクの複色系で草や葉を想像させるグリーン感を伴うバラの花のような香りをもつ。

[キーワード]冬咲き性、芳香性、スイートスノー、スイートピンク

[担当]神奈川農技セ・果樹花き研究部
[代表連絡先]電話0463-58-0333
[区分]関東東海北陸・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 近年は観賞時の花の香りについても関心が高まり、芳香を有する新規花きの導入が求められている。スイートピーで最も強い芳香を有する夏咲き品種・系統は冬期の切り花としての利用が困難である。そこで、冬期温室栽培に適した冬咲き性で強い芳香を有するスイートピー品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
「スイートスノー」
1. 育成経過
1997年に「Prince Edward of York」(開花の習性は夏咲き性、芳香は強、花色は明紅)を子房親、「イースターパレード」(開花の習性は冬咲き性、芳香は弱、花色は黄白)を花粉親として交配を行った。自殖後代から、冬咲き性、芳香は強、小花数は4個以上、花色が黄白のものを選抜して固定を図り2002年にF6で形質の安定した系統を得た。2003〜2004年に特性調査を行い有望と判断し育成を完了した。
2. 品種特性
1) 開花の習性は冬咲き性である(表1)。
2) 芳香の強度は強くやわらかく甘く粉っぽい(パウダリーな)香りを有している(図2)。
3) 花色は黄白で、花柄長はやや短く、1花房当たりの小花は3〜5個で、花径は約4cmで花形はオープンである(図1および表2)。
「スイートピンク」
1. 育成経過
 1997年に「イースターパレード」を子房親、「Lord Nelson」(開花の習性は夏咲き性、芳香は強、花色は濃赤味紫)を花粉親として交配を行った。自殖後代から、冬咲き性、芳香は強、小花数は4個以上、花色が明紫赤のものを選抜して固定を図り2002年にF6で形質の安定した系統を得た。2003〜2004年に特性調査を行い有望と判断し育成を完了した。
2. 品種特性
1) 開花の習性は冬咲き性である(表1)。
2) 芳香の強度は強く、草や葉を想像させるグリーン感を伴うさわやかでバラの花のような香りを有している(図2)。
3) 花色は旗弁色が明紫赤、翼弁色が紫ピンクの複色系で、花柄長はやや短く、1花房当たりの小花は4個で、花径は約4cmで花形はオープンである(図1および表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 名称の「スイートスノー」、「スイートピンク」は仮称
2. 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構から品種登録を出願


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:芳香性スイートピー品種の育成
予算区分:一般受託
研究期間:1997〜2004年度
研究担当者:柳下良美、山元恭介
発表論文等:品種登録出願番号 「スイートスノー」第18512号
「スイートピンク」第18513号

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