輪ギク「神馬」の葉の黒変症は収穫後の的確な水揚げで防止できる


[要約]
白色輪ギク品種「神馬」でシェード栽培時の収穫後に発生する上位葉の黒変症状は、収穫後の水揚げによる影響が大きく、収穫後1時間以内に清潔な水で水揚げし、その後水揚げ貯蔵を行うことで発症を防止できる。

[キーワード]キク、流通、神馬、シェード栽培、黒変症

[担当]愛知農総試・園芸研究部・花きグループ
[代表連絡先]電話0561-62-0085(内線543)
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 6、9、10月開花のシェード栽培の白色輪ギク品種「神馬」において、流通段階で上位葉に黒変症状が多発し、産地及び流通サイドで大きな問題となっている。この黒変症状の原因を明らかにして、防止対策を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. この黒変症状は出荷時にはみられず、流通段階で発生する(図1)。収穫後の水揚げは黒変症の発症に強く影響を及ぼし、収穫後1時間以内に水揚げ処理(一晩))を行い、貯蔵時にも水揚げ処理を行うことで発症が抑制される(図2)。また、水揚げ水は、清潔なものを用いることにより発症が抑制される(データ省略)。
2. 施肥量、追肥時期の違いにより草姿、乾物率、上位葉の糖含量に差が現れるが、発症抑制効果には差はみられない(データ省略)。
3. 収穫から水揚げまでの時間は黒変発症に大きく影響を及ぼし、収穫から水あげ処理までの時間が2時間を超えると黒変発症本数割合は急激に高まり、また水揚げまでの時間が長くなるほど発症程度は高くなる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 「神馬」以外の白色輪ギクにおいても、給水を阻害する要因を与えることで同様の症状が発生する。そのため、「神馬」以外の品種においても利用のできる成果である。
2. 本成果は全国のキク産地に活用できる。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:花きの生理障害の発生要因・条件と防止対策
予算区分:県単
研究期間:2004〜2005年度
研究担当者:和田朋幸、犬伏加恵、加藤俊博

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