チューリップ新品種、「新潟3号」、「新潟4号」、「新潟5号」


[要約]
「新潟3号」は、濃橙に黄色覆輪のユリ咲き品種である。「新潟4号」は淡赤紫、「新潟5号」は濃桃の八重咲き品種である。「新潟3号」「新潟4号」は切り花・露地花壇用、「新潟5号」は露地花壇用である。

[キーワード]チューリップ、新潟3号、新潟4号、新潟5号、ユリ咲き、八重

[担当]新潟農総研・園研セ・育種科
[代表連絡先]電話0254-27-5555
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 全国有数のチューリップ球根・切り花生産を誇る新潟県内の産地活性化のため、年内採花が可能な切り花用品種及び花色等に新規性のある花壇用品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 「新潟3号」
(1) 昭和61年に、ユリ咲き群品種「アラジン」を子房親、トライアンフ群品種「ゴールデンメロディー」を花粉親として交配した。
(2) 花色は対照の「バレリーナ」より赤みの強い橙色で、ユリ咲き品種である。
(3) 「バレリーナ」に比べ、促成切り花時の開花は5日早く、観賞期間は同程度である。露地開花では開花期は同程度だが、観賞期間は短い(表1)。
(4) 球根収量性は高く、主球の肥大性は良好である(表2)。
2. 「新潟4号」
(1) 昭和63年に、トライアンフ群品種「バレンタイン」を子房親、八重遅咲き群品種「メイワンダー」を花粉親として交配した。
(2) 花色は淡赤紫の八重咲き品種である。
(3) 対照の「アンジェリケ」に比べ、促成切り花時の開花はやや早く、観賞期間もやや長い。露地開花では、同程度の開花期、観賞期間である(表1)。
(4) 主球は12〜11cm以上が中心であり、球根収量性は良好である(表2)。
3. 「新潟5号」
(1) 昭和62年に、トライアンフ群品種「プレルジューム」を子房親、八重遅咲き群品種「アンジェリケ」を花粉親として交配した。
(2) 花色は子房親の「プレルジューム」と同色の八重咲き品種で、枝咲き性がある。
(3) 「アンジェリケ」に比べ、露地開花は4日早く、観賞期間は同等である(表1)。
(4) 主球は10cmが中心であり、球根収量性は劣る(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 新潟県内のチューリップ生産地全域に適する。
2. 「新潟5号」は花壇用である。促成栽培では、草姿バランスが悪く適さない。
3. 球根の養成栽培では、多肥を避け、適切なかん水管理と適期収穫につとめる。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:チューリップの新品種育成
予算区分:県単
研究期間:2004年度(1985年度〜)
研究担当者:宮嶋一郎、中野太佳司・宮島利功、小泉薫
発表論文等:品種登録出願中(新潟3号、同4号)、品種登録出願予定(新潟5号)

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