コカブ横縞症の発生要因


[要約]
千葉県のコカブ栽培で夏季に発生しやすい横縞症は、根部肥大期の気温が25℃以上の高温になると多発しやすく、土壌の高pHと乾燥が発生を助長する。

[キーワード]カブ、生理障害、高温、高pH、土壌水分

[担当]千葉農総研・北総園芸研究所・畑作園芸研究室
[連絡先]電話0478-59-2100
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 千葉県のコカブは周年栽培されており、主産地の柏市及び香取郡東庄町では、コカブの肥大根部にリング状の茶褐色斑点を生じる横縞症(図1)が多発し、商品性を著しく損なっている。本症の発生には年次間差があり、高温乾燥年の夏どり栽培で多発する傾向にあるが、原因や発生要因が不明である。そこで、コカブ横縞症の発生要因を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. コカブ横縞症は、根部肥大期の気温が25℃以上になると多発しやすい(図2)。
2. コカブの夏どり栽培において、土壌pHが高いほど横縞症の発生が多い。しかし、高温期を経過しない作型では、高pH土壌でも発生は極めて少ない(表1)。
3. コカブの夏どり栽培において、横縞症は土壌を湿潤に保つことで軽減でき、土壌の乾燥によって多発する(図3)。また、高温期を経過しない作型では、乾燥条件下でも発生は極めて少ない(データ略)。

[成果の活用面・留意点]
1. 本症の発生地での高温期のコカブ栽培に当たっては、土壌の高pHや乾燥を避けるようにする。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:コカブ横縞症の原因究明と防除対策
予算区分:県単
研究機関:2001〜2004年度
研究担当者:高野幸成、福田 寛
発表論文等:高野幸成ら(2005) 千葉農総研報4:145−150

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