窒素肥料成分の有機物代替による夏秋ハクサイ栽培における収量および品質


[要約]
ハクサイ夏秋作型の減化学肥料栽培において、窒素成分を有機物により代替した場合、なたね油かすでは収量は慣行と同等で、100%代替でポリフェノール含量が高まる。コーンコブ堆肥では収量は70%程度であるが、ビタミンC含量などが高まる。

[キーワード]ハクサイ、減化学肥料栽培、有機物代替、なたね油かす

[担当]長野野花試・野菜部
[連絡先]電話026-278-6848
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 これまでの化学肥料や化学合成農薬に依存し生産性本位で取り組まれてきた農業生産を見直し、地球環境に配慮した農業技術の確立に対する要望が強くなっている。そこで、夏秋作型において本県の主要品目であるハクサイの化学肥料使用量を削減するため、本県で大量にに排出されるコーンコブ堆肥(エノキタケ廃培地)や、無機化の容易ななたね油かすなどにより窒素成分を表1・2により代替した場合の収量、品質に及ぼす影響について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 調整重については、窒素肥料成分のなたね油かすの代替区は、品種によるばらつきはあるものの対照の化学肥料区と概ね同等の収量が得られる(表3)。
2. エノキタケ廃培地を堆肥化したコーンコブ堆肥による代替では、代替率にかかわらず、いずれの品種も化学肥料区の60〜70%の収量である(表3)。
3. コーンコブ堆肥では、ビタミンCや糖度が増大した(表3)。
4. 有機物代替区でゴマ症の発生が少なくなる(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 本結果は、夏秋作型における全面マルチ栽培の条件下で行ったものであるため、土壌や気象条件等によっては結果が異なる可能性がある。
2. なたね油かす代替では、リン酸、加里などの窒素成分以外について補う必要がある。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:持続的な野菜畑土壌管理のための合理的作付体系の確立と減化学肥料による栽培技術の確立
予算区分:県単研究(特別プロジェクト)
研究期間:2004 〜 2006年度
研究担当者:小松和彦、小沢智美、矢楓セ美、山田和義、臼井冨太

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