アスパラガス長期立茎栽培における収穫開始1〜3年目の立茎開始時期


[要約]
アスパラガス長期立茎栽培では、収穫3年目までの春どり期間を15日程度として立茎開始時期を早くすることにより、総収量が増加するとともに、夏秋どりの収穫開始時期が早くなる。

[キーワード]アスパラガス、長期立茎栽培、株養成、立茎開始時期

[担当]新潟農総研・園研セ・栽培施設科、高冷地農技セ
[連絡先]電話0254-27-5555
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 アスパラガス長期立茎栽培は、萌芽から一定期間春どりを行った後に立茎を開始し、引き続き夏秋どりに移行する栽培方法である。新潟県では、早春に播種して1年間の株養成を行った後、翌春より収穫が可能であるが、収穫1〜3年目は成園化の過程にあるため、春どり期間を長くして立茎開始時期を遅らせるとその後の生育に対するダメージが大きくなる。そこで、長期立茎栽培の収穫1〜3年目における立茎開始時期の早遅と収量の関係を明らかにして、高位安定生産のための立茎開始時期を定める。

[成果の内容・特徴]
1. 収穫3年目まで5月5日に立茎開始(春どり期間15日程度)することにより、3年間の総収量が最も多くなる(表1図1)。
2. 5月5日に立茎開始(春どり期間15日程度)すると、5月25日に立茎開始(春どり期間35日程度)するよりも夏秋どりの開始時期が早くなり、さらに夏秋どりの収量が多くなる(表1図2および3)
3. 5月25日に立茎開始(春どり期間35日程度)すると、その年の収量が少なくなるだけでなく、翌年も収量が低下する(表1図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. この試験は、L規格の茎(茎径9.3〜13.5mm)を1株あたり6本立茎して長期立茎栽培を行った結果である。
2. 立茎開始時期は、おそ霜の心配がなくなる5月上旬(5月5日)と、その20日後となる5月下旬(5月25日)に設定した。
3. 春の萌芽開始期は栽培地によって異なるので、立茎開始時期は栽培地により変更する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:アスパラガス立茎長期収穫技術の確立による高位安定生産の実現
予算区分:県単
研究期間:2002〜2004年度
研究担当者:高岡裕樹、本間昌彦、大竹孝夫

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