黒ボク土壌において8年間施肥量削減した茶園の収量と荒茶成分


[要約]
黒ボク土壌において年間施肥窒素量75kg/10a から31kg/10aに削減しても一番茶、二番茶の収量及び荒茶成分は削減8年後まで変わらない。

[キーワード]チャ、黒ボク土壌、施肥量削減、収量、荒茶成分

[担当]静岡茶試・富士分場
[連絡先]電話0545-21-0194
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 窒素肥料が環境へ負荷を与えていることから、施肥量を削減した施肥技術が求められている。しかし、黒ボク土壌茶園において施肥量削減を継続的に行った事例がないため、収量、品質への影響が不明である。そこで、試験開始前1997年の標準的施肥量75kg/10aを基準に、施肥量を削減した場合の収量や荒茶成分への影響を継続的に調査する。

[成果の内容・特徴]
1. 窒素施肥量を10a当たり75kgから54kg、31kgに削減しても、一番茶及び二番茶の収量は処理開始から8年間、施肥量を削減しない場合と変わらない(表1)。
2. 一番茶及び二番茶の新芽数、百芽重、出開度は施肥量を削減しても8年経過後(2005年)でも施肥量を削減しない場合と変わらない(表2)。
3. 一番茶及び二番茶の荒茶の全窒素、遊離アミノ酸、食物繊維のそれぞれの含有率は施 肥量を削減しても8年経過後(2005年)でも施肥量を削減しない場合と変わらない(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 品種は「やぶきた」で試験開始時の樹齢は19年生であった。
2. 1998年2月より年間窒素施肥量を75kg/10a(リン酸33kg/10a、カリ44kg/10a)から54kg/10a(リン酸24kg/10a、カリ33kg/10a)と31kg/10a(リン酸15kg/10a、カリ21kg/10a)に削減して2000年の一番茶から調査を開始した。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:火山灰土壌における施肥量削減が収量・品質に及ぼす影響
予算区分:県単
研究期間:2000〜2005年度
研究担当者:小杉由紀夫、望月和男、久保田栄、沢村章二

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