有機液肥の利用を可能とする洗浄機能付きチャ点滴施肥システムの開発


[要約]
従来のチャの点滴栽培システムにチューブ内を洗浄する機能を付加することにより、有機液肥を点滴施肥用の肥料として長期かつ連続して使用することができる。

[キーワード]チャ、点滴施肥、有機液肥、洗浄

[担当]愛知農総試・東三河農業研究所・茶業グループ
[連絡先]電話0532-61-6296
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 点滴施肥栽培は、施肥量削減をはかりながらも収量品質の維持向上が期待できる栽培技術の1つである。茶は有機質肥料を多用する傾向が高いところから、点滴施肥栽培においても有機質肥料の施用できるシステムの構築が望まれている。しかし、本県で開発したシステムでは有機質肥料を用いると、短期間でかん水チューブの目詰まりを引き起こすおそれがある。有機質肥料を長期に連続して使用を可能とする点滴施肥システムを構築する。

[成果の内容・特徴]
1. 構築したシステムは、従来の液肥混入用経路(1)で液肥を施用後、電磁弁でただちに経路(2)で水のみを流し、チューブ内を洗浄するシステムを付加したものである(図1)。
2. 洗浄時間は、有機液肥施用後直ちに行うと約15分間である(図2)。
3. 洗浄機能を付加した点滴施肥システムで有機液肥を施用しても、従来のシステムと比較して吐出口毎の吐出量や窒素濃度のバラツキが大きくなることはない(表1)。
4. 有機液肥の使用開始後、34日を経過しても吐出量および全窒素濃度のバラツキが大きくなることはなく、目詰まりは見られない(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 点滴施肥栽培でも、有機液肥を長期間連続して使用する場面で活用できる。
2. 使用する点滴チューブは、堅牢でより安定的に施肥が行える圧力調整機能付きのものが望ましい。
3. 追加する洗浄システムの価格は5万円程度である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:窒素低投入型栽培技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2004〜2007年度
研究担当者:白井一則、木下忠孝、滝本雅章、辻浩孝

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