メタラキシル粒剤防除効果低下菌の出現によるミョウガ根茎腐敗病の多発


[要約]
メタラキシル粒剤に対して防除効果の低下したミョウガ根茎腐敗病菌Pythium zingi-berisが出現している。現地圃場における本病の多発生は、本剤に対して防除効果の低下した根茎腐敗病菌の出現が一要因と考えられる。

[キーワード]メタラキシル粒剤、ミョウガ根茎腐敗病、防除効果

[担当]群馬農技セ・生産環境部・病害虫グループ
[連絡先]電話 0270-30-7799
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・病害虫(病害)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 群馬県内のミョウガ栽培圃場では、根茎腐敗病の防除対策としてメタラキシル粒剤を使用している。しかし、近年、本剤の使用圃場でも根茎腐敗病が多発生し、問題となっている。そこで、現地の発病実態を調査するとともにメタラキシル粒剤に対する根茎腐敗病菌の防除効果を検討し、本病多発生の原因を究明する。

[成果の内容・特徴]
1. メタラキシル粒剤(メタラキシル 2%)を処理しているにもかかわらず、本病が多発生している圃場が27圃場調査した中で6圃場確認された(表1)。
2. 現地調査でメタラキシル粒剤を処理しても本病が多発生していた圃場では、防除効果試験においても本剤の防除効果が著しく低い(図1)。
3. 現地発病圃場の発病株から分離した7菌株中6菌株は、メタラキシル粒剤による防除効果が低下している(表2)。
4. 現地圃場における本病の多発生は、メタラキシル粒剤に対して防除効果の低下した根茎腐敗病菌の出現が一要因と考えられる。

[成果の活用面・留意点]
1. メタラキシル粒剤の防除効果が低下している圃場では、本剤の使用を控え、改植、土壌消毒および遮光などを組み合わせた総合防除を行う。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:ミョウガ根茎腐敗病防除対策
予算区分:県単
研究期間:2001〜2007年度
研究担当者:漆原寿彦、三木静恵

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