形状と重量を同時に計測するキュウリ小型選別機


[要約]
キュウリの形状(長さ、曲がり)と重量を同時に計測する小型選別機を開発した。選別精度は90%程度で熟練者の手選別と同等以上である。作業者1名の選別能率は約1400本/時間であり熟練者1名の1.3倍程度である。

[キーワード]キュウリ、選別、形状、重量

[担当]群馬農技セ・生産環境部・機械施設グループ
[代表連絡先]電話:0270-30-7799
[区分]関東東海北陸農業・作業技術
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 キュウリの選別・箱詰めは、形状(長さ、曲がり)と重量により決められた様々な規格にキュウリを選別し、段ボール箱に規定本数を詰める作業である。既存の小型選別機では、形状と重量を同時に計測できないため、それらは別工程の処理となり時間を要することから、省力化が求められている。そこで、多様な出荷規格に対応でき、効率的に作業ができる小型選別機の開発に取り組む。

[成果の内容・特徴]
1. 開発機は、キュウリを載せる供給部、計測装置、シーケンサ、バケットを取り付けたコンベヤ、収納コンテナにより構成される。計測装置は、光電センサ(長さは透過型、曲がりは反射型)とデジタル重量秤(6kg用)を使用し、供給部に取り付け、形状と重量を同時にはかることができる(図1図2)。
2. キュウリを供給部に置くと、曲がり・重さを判別後、供給下部の移載バーがキュウリを押し上げて、バケットへと移動させる。この時、センサにより長さが判別される。バケットは断続的に回転しており、該当する規格の選別口へ移動した時にキュウリをコンテナへ落下させる(図2)。
3. 長さ、曲がりの計測誤差が±2mm以内、重さが±5g以内で、10規格に選別した時の精度が90%以上となり、選別精度は手選別と同等以上である(表1)。
4. 選別作業の経験がない者が行った場合、開発機の選別能率は、約1400本/時間で、熟練者1名の1.3倍程度である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 雇用等の初心者でも選別作業が可能である。
2. キュウリ供給時の位置や向き等の置き方により精度が影響される場合がある。
3. 本機はオギワラ精機(株)(長野県中野市)と共同開発し、平成19年3月から市販する予定である。


[具体的データ]

図1 開発機の概要
図2 開発機の構造と選別工程
表1 選別精度
表2 選別能率

[その他]
研究課題名:施設キュウリ生産における選別調製作業の自動化
予算区分:県単
研究期間:2003〜2006年度
研究担当者:加藤香織、須田功一、原昌生、渡辺政一郎、湯本雅行(オギワラ精機(株))

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