飼料イネ収穫作業を効率化する簡易な運搬装置ロールキャリア


[要約]
飼料イネ用ロールベーラの後部に接続し、刈り取り作業と同時に成形済みのロールベール1個を積載できる簡易なロールベール運搬装置である。接続部の変更により、フレール型収穫機の他にコンバイン型収穫機にも装着できる。

[キーワード]飼料イネ、専用収穫機、ロールベール、運搬装置、圃場内運搬

[担当]中央農研・北陸大規模水田作研究チーム
[代表連絡先]電話:025-523-4131
[区分]共通基盤・作業技術、共通基盤・総合研究(飼料イネ)、関東東海北陸農業・作業技術
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  飼料イネ用ロールベーラ(以下、専用収穫機)と自走式ベールラッパ各1台による飼料イネ収穫作業では、ロールベールを圃場外に搬出する運搬作業が、全体の作業能率を向上するうえで重要である。そこで、他の作業車による圃場内運搬の負担を軽減するために、専用収穫機で刈り取り・成形作業を行いながら同時にロールベールを運搬するための簡易な運搬装置(ロールキャリア)を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. ロールキャリア(表1)は、専用収穫機が刈り取り成形作業を行いながら、排出した成形・結束済みロールベール1個を運搬して、任意の位置に荷降ろしできる運搬装置である。油圧等の外部動力を必要とせず軽量かつ簡易な構造であるとともに、作業中でも停車せずにワンタッチで荷降ろしができ高い作業性を有する。
2. 本装置は、主フレーム、転輪、荷受けガイド、荷台フレーム、保持機構及び遠隔操作レバー等で構成される(図1)。主フレームは主フレーム取り付け水平軸により専用収穫機に装着され、首振り自在な転輪と組み合わせて、旋回時でも専用収穫機に対して適正な位置に保たれる。
3. 荷台フレームは荷台フレーム取り付け水平軸回りに回転できる構造で、通常時は保持機構により固定されている。荷降ろし時は、手動開放レバー又は運転席にある遠隔操作レバーを操作して保持機構を解除すれば、ロールベール自重により荷台フレームが後方に倒れて荷降ろしされる。荷台フレームの重心位置はこの水平軸より前方であるため、荷降ろし後は自重により自動復帰し、保持機構のラッチにより再び固定される(図2)。
4. 上記の他に本装置は次の特徴を有する。すなわち、①保持機構を覆うワラ詰まり防止カバー、②荷受けガイドのワラ詰まり防止構造、③ロールベールを適正位置に保持する逆転防止装置、④転輪支持部へ泥の抱き込みを防止するマッドガードである。
5. 本装置は接続部の変更により、フレール型収穫機に加えてコンバイン型収穫機にも装着できる。この場合、コンバイン型専用収穫機はキッカを標準装備しているため、荷受けガイドは必要ない。
6. 大区画圃場で自走式ベールラッパ1台と組み合わせて作業する場合、本装置の使用により、圃場内での作業全体の能率を最大35%程度向上できる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 専用収穫機を基軸とする飼料イネ収穫・調製作業に於いて、圃場内でのロールベール運搬の所要時間を短縮し、全体の作業能率を向上できる。
2. 作業能率の詳細については、平成17年度研究成果情報を参照のこと。
3. 飼料イネのみならず、牧草やイネ・麦の排ワラ回収等の広範な利用が可能である。
4. 特許出願中であり、平成19年中に市販化の予定である。


[具体的データ]

表1 ロールキャリアの主要諸元 図2 荷台フレームの自動復帰動作
図1 ロールキャリアの構造(フレール型収穫機用)
表2 作業能率の比較

[その他]
研究課題名:北陸地域における大規模水田作の高精度管理技術と高品質飼料イネ生産技術の開発
課題ID:212-b
予算区分:北陸大麦飼料用稲輪作
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:元林浩太、湯川智行、小島誠、米村健

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