抗菌性飼料添加物の無添加が子豚育成期に与える影響


[要約]
抗菌性飼料添加物を含まない飼料を給与した子豚育成群では、12週齢までに体重が30%減少し、下痢発生率も15%と高率で推移する。病原体検索では、ロタウイルスC型の関与が示唆された。

[キーワード]豚、抗菌性飼料添加物、損耗

[担当]東京農総研・安全環境科
[代表連絡先]電話:0428-31-2171
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  養豚における抗菌性飼料添加物削減技術開発のため、抗菌性飼料添加物削除が子豚育成期に与える影響を把握し、飼料中から抗菌性飼料添加物を削除することの問題点を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 2005年7月〜8月生まれの哺乳豚60頭(8腹)を試験区(抗菌性飼料添加物削除 n=35 8頭/分房 4反復)と対照区(抗菌性飼料添加物含有 n=25 8頭/分房 3反復)に分け、図1に示す飼料給与計画により飼養試験を実施し、表1の項目について調査する。なお、対照区には、抗菌性飼料添加物として硫酸コリスチン(20g力価/t)、エフロトマイシン(8g力価/t)、クエン酸モンテシン(30g力価/t)を添加する。
2. 体重の推移
離乳時点(4週齢)までは、各区とも有意差は認められない。離乳後1週齢から有意差がみられ、試験終了時点(12週齢)では試験区が対照区に比べて体重で約30%の差が確認される。(図2)。
3. 疾病発生状況
今回の試験では、離乳後に死亡例、呼吸器症状は確認されなかった。下痢の発生率については、試験区、対照区共に離乳直後から急上昇し、離乳後1週程度でピークに達し、以下試験終了時までに漸減した。ここで、試験区は対照区と比較して15%程度高率で下痢が発生している(図3)。
   その他臨床症状としては,対照区と比較して試験区では被毛疎剛,削痩,元気消失がみられる。
4. 病原体検索
細菌学的検査、ロタウイルスC型を除くウイルス学的検査では、特に有意な病原体は検出されなかった。ロタウイルスC型では、下痢がピークに達する時期に試験区で感染を示す結果が見られるが、抗生物質との関連については今後例数を増やし検証を重ねる必要がある。

[成果の活用面・留意点]
1. この結果を養豚における抗菌性飼料添加物削減技術開発のための基礎資料とする。


[具体的データ]

図1 飼料給与計画
表1 調査項目
図2 増体重 図3 疾病発生状況(下痢)

[その他]
研究課題名:カテキンによる家畜疾病の防除
予算区分:委託プロジェクト研究(健全畜産)、都単
研究期間:2005〜2007年度
研究担当者:片岡辰一朗

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