乾燥パン屑と乾燥豆腐粕を利用した低コスト肉豚生産


[要約]
肥育期(30〜110kg)の飼料に、乾燥パン屑と乾燥豆腐粕を各10%づつ代替して給与することで、発育、肉質・脂質及び食味に影響なく、飼料費の低減が図れる。

[キーワード]低コスト、リサイクル、食品製造副産物、乾燥パン屑、乾燥豆腐粕

[担当]山梨畜試・養豚科
[代表連絡先]電話:055-273-6441
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  養豚経営において飼料費は生産費の6割以上を占めている。そこで、飼料の一部を食品残さで代替することで飼料費の削減を図り、収益性の向上に繋げる。
  本試験では、保存性の高い乾燥パン屑及び乾燥豆腐粕を飼料に配合し給与した場合の影響について調査する。

[成果の内容・特徴]
1. 試験の内容については、体重30kgから110kgの肥育豚に乾燥パン屑10%及び乾燥豆腐粕10%の合計20%量を食品残さで代替給与した。供試豚はLWDで自由給餌し、供試頭数は各区3頭、2反復とした。
2. 慣行飼料に乾燥パン屑と豆腐粕を各10%づつ混合し、肥育豚の飼料として活用した場合、発育、肉質・脂質に影響はない(表1)。
3. 食品残さの給与による食味への影響はない(表3)。
4. 肥育期間(前期・後期)の配合飼料に食品残さを活用することで、豚1頭あたりの飼料費は1,115円削減され、飼料費の低減につながる(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 乾燥食品残さと慣行飼料は均等に混合し給与すること。
2. 乾燥食品残さの価格は、豆腐粕・パン屑共に輸送費を含み20円/kg 程度である。


[具体的データ]

表1 発育成績
表2 肉質・脂質成績
表3 食味成績
表4 肥育期間1頭あたりの飼料摂取量(kg)及び飼料費(円)

[その他]
研究課題名:未利用素材の豚飼料化技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:石田昌弘 金高弘志 赤尾友雪

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