イタリアンライグラスにおける推定TDN含量の品種間差 |
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[要約] |
出穂期〜穂揃期のイタリアンライグラスの乾物中推定TDN含量は概ね55〜60%の範囲にある。全品種の推定TDN含量の刈取時期間、および年次間の相関はいずれも正で有意である。 |
[キーワード]飼料作物育種、イタリアンライグラス、推定TDN含量、品種間差 |
[担当]茨城畜セ・飼料研究室
[代表連絡先]電話:0299-43-3333
[区分]畜産草地、関東東海北陸農業・畜産草地(草地)
[分類]技術・参考 |
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[背景・ねらい] |
現在までイタリアンライグラスの育種は主に収量性の向上に主眼がおかれてきているが、今後は消化性も加味したTDN収量にも着目する必要があるため、高消化性品種育成の第1段階として、春1番草における各酵素分画から推定されるTDN含量の品種間差を調べる。 |
[成果の内容・特徴] |
1. |
イタリアンライグラス17品種を3反復乱塊法で1区面積4.8m2とし、1区のうち3.2m2を出穂期〜穂揃期に(標準刈)、残る1.6m2を1回目刈取後7〜15日後に(遅刈)、それぞれ刈取り、全刈取草を約1cmに細切、攪拌、70℃で乾燥、粉砕後酵素分画含量を分析し、TDN=0.891×(OCC+Oa)+0.410×Obによって推定TDN含量を算出したところ、乾物中のそれは概ね55〜60%の範囲にある(図1)。 |
2. |
各品種の推定TDN含量は標準刈と遅刈の間、および年次間で大きな差はみられない(図1)。 |
3. |
標準刈で極早生2品種(ハナミワセ、ウヅキアオバ)の推定TDN含量が高い傾向にあった(図1)が、その影響を抜きにしても両年における標準刈の推定TDN含量間と遅刈のそれとの間、および標準刈、遅刈それぞれにおける年次間の推定TDN含量において有意な正の相関が認められる(図1、表1)。 |
4. |
以上の結果より、イタリアンライグラスの推定TDN含量に品種間差が存在すること、それぞれの品種の出穂期〜穂揃期もしくはその7〜15日後頃までに刈取調査を実施することにより個々の品種の推定TDN含量を評価できることが示された。 |
5. |
刈取時、年次を問わず、推定TDN含量とOCC、OCW、Ob含量との間の相関は高く、Oa含量、粗灰分との間のそれは低い(表2)。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
高消化性イタリアンライグラスの育成に際して、母材選定、および特性検定等での比較品種選定に利用できる。また府県での奨励品種選定の参考資料として利用できる。 |
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[具体的データ]
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[その他] |
研究課題名:イタリアンライグラスの新品種育成試験
予算区分:指定試験
研究期間:2002〜2004年度
研究担当者:深沢芳隆、矢萩久嗣
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