軽石を充填した密閉縦型発酵装置向けの脱臭装置


[要約]
密閉縦型発酵装置の排気をアンモニア濃度が400ppm程度に希釈し、軽石を充填した脱臭槽に送風することで、脱臭する。11月から3月までは、ビニルハウス等で保温する。この方法でアンモニアはほぼ完全に脱臭できる。充填資材の送風抵抗が小さいので、散水中でも送風可能である。この装置は既存装置に比べ著しく低コストである。

[キーワード]密閉縦型発酵装置、脱臭、低コスト

[担当]群馬畜試・資源循環研究グル−プ
[代表連絡先]電話:027-288-2222
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(畜産環境)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  いわゆる「家畜排せつ物法」対策後の最重要課題は臭気対策である。その一つとして脱臭があるが、農家が導入できる程度に簡易かつ低コストなものがない状況にあるので、新規に開発を行う。

[成果の内容・特徴]
1. 密閉縦型発酵装置の排気中のアンモニア濃度は投入物の性状により異なり、日変化もあるので、個別に日平均濃度を求める。投入物が同じ場合は、濃度は温度から推測できる。脱臭槽への送風はアンモニア濃度400ppmを基準とし、排気の平均濃度と排気量から希釈臭気の総風量を求める。
2. 脱臭資材の充填容積は、アンモニア濃度400ppmの臭気1m3当たり1m3である。標準的な脱臭槽の構造は図1のようである。軽石は粒径5から10mmのものを充填する。散水は30分から1時間に2分程度行う。散水中の通気抵抗は2年経過後でも0.2kPa以下であり、散水中に送風しても問題ない。この装置によりほぼ充分にアンモニアを脱臭できる(図12)。
3. 循環水には臭気のアンモニアおよびアンモニアが変化した硝酸が蓄積する。窒素が高濃度になるとアンモニアや亜硝酸濃度が高まるので、窒素濃度1%(電気伝導率40mS/cm程度)で循環水を引き抜き、堆肥に散布するか液肥利用する等で処分する(図3)。
4. 既存脱臭装置(ロックウ−ル方式)と比較すると、小規模で充填資材価格も安いため、装置全体でも低コスト化できる(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 密閉縦型発酵装置向けの脱臭槽として利用できる。オガクズ脱臭槽が付設されている場合が多いが、改造により軽石脱臭槽に変更できる。
2. 12月から3月の低温期は、ビニルハウスをかけ槽を保温すると同時に、希釈用空気をハウス内から導入することにより能力低下を防ぐ。


[具体的データ]

図1 標準的な脱臭装置の立面図
図2 脱臭槽充填資材中心部日平均温度とアンモニア濃度
図3 循環水の窒素組成 表1 ロックウ−ル法との性能比較

[その他]
研究課題名:低コスト脱臭槽の開発
予算区分:受託、以後県単
研究期間:2003〜2004、2005〜2006年度
研究担当者:山田正幸、高橋朋子、鈴木睦美
発表論文等:特許公開 2006-031953

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