ぶどう種なし巨大粒の生産技術


[要約]
満開予定14日前(実績満開12〜13日前)にストレプトマイシン散布、満開3日後に1回目ジベレリン処理で「藤稔」の種なしで良い形の房ができる。また、2回目処理時に、ホルクロルフェニュロン液剤5〜10ppm加用のジベレリン処理で「藤稔」は21g、「安芸クイーン」は18gの食味、着色とも良好な巨大粒ができる。

[キーワード]ブドウ、藤稔、安芸クイーン、ストレプトマイシン、ジベレリン、ホルクロルフェニュロン

[担当]埼玉農総研セ・園芸研・果樹担当
[代表連絡先]電話:0480-21-1141
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  「巨峰」の市場価格の低迷が続き、「巨峰」直売主体の当県ブドウ栽培も、将来の収益低下が予想される。また、購入層が高齢化し、20〜30代の客層が増えず、今後の経営を考える上で大きな問題となっている。「巨峰」中心の直売に新規顧客開拓のための新商材として、慣れ親しんだ「巨峰」の香りを残した、黒色及び赤色品種の無核巨大粒の生産技術を開発し、次世代へのブドウ生産の安定性を高め、収益増加する方法を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 良房を得るために1回目のジベレリン処理を満開3日後にすると、「藤稔」を種なしとして商品にするにはストレプトマイシンの満開予定14日前(実績12〜13日)の散布が必要である。ジベレリン1回目処理時のストレプトマイシン加用浸漬処理または使用しない場合は種子の混入が多く商品性が下がる(表1)。
2. 「藤稔」を使った黒色巨大粒生産には、満開15日後にホルクロルフェニュロン液剤の5〜10ppmをジベレリンに加用する。10ppmでは平均粒重が21g、20g以上の粒が2/3、25g以上の粒が1/5できる。また5ppmでは平均粒重、粒の大きさの割合も10ppmよりやや劣る。しかし、着色、糖度はわずかだが逆転する傾向にある(表2)。
3. 「安芸クイーン」を使った赤色巨大粒生産には、満開15日後にホルクロルフェニュロン液剤の5〜10ppmをジベレリンに加用する。10ppmでは平均粒重が18g、20g以上の粒が1/3〜1/5できる。また5ppmでは平均粒重、粒の大きさの割合が10ppmとでは同等またはやや劣る。しかし、着色、糖度は同等以上である(表3)。
4. 「藤稔」は被覆栽培、「安芸クイーン」は露地栽培であるが試験期間中問題となるような裂果はなかった。

[成果の活用面・留意点]
1. ホルクロルフェニュロン液剤の濃度は、着色しにくい圃場では低い濃度で使用する。
2. 開花が遅れた房の果粒肥大は最後まで劣るので、開花を揃えるようなせん定や管理を行い、それでも開花の遅い房は摘房する。
3. 実用には被覆栽培が望ましい。
4. 有核栽培樹から変更した場合、「藤稔」は強せん定強樹勢に、「安芸クイーン」は強せん定中庸樹勢になるように、樹冠の広がりや亜主枝・側枝のバランスを見直す。


[具体的データ]

表1 年度と処理による「藤稔」の種なし度合いの割合(%)
表2 「藤稔」の果実品質
表3 「安芸クイーン」の果実品質

[その他]
研究課題名:ブドウ無核巨大粒の生産技術開発
予算区分:県単
研究期間:2004〜2006年
研究担当者:酒井雄作

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