ブドウ「ロザリオ ビアンコ」専用カラーチャート


[要約]
果実画像を用いて新たに開発した「ロザリオ ビアンコ」専用カラーチャートは既存のカラーチャートより精度の高い判定が可能で、高品質果実収穫のための指標として利用できる。

[キーワード]ブドウ、ロザリオ ビアンコ、カラーチャート

[担当]新潟農総研・園研セ・栽培・施設科
[代表連絡先]電話:0254-27-5555
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  黄緑色大粒品種である「ロザリオ ビアンコ」の栽培は年々増加し、平成13年には新潟県優良品種に位置づけられた。しかし既存の黄緑色品種のカラーチャートは個人による判定のばらつきが大きく、果皮色の評価が難しい。また黄緑色品種は果皮色の変化が少なく収穫適期の判断が難しいため、早期収穫による品質の低下が問題となっている。そこで、画像解析を用いて「ロザリオ ビアンコ」に適した新たなカラーチャートを作成する。

[成果の内容・特徴]
1. 本カラーチャートは画像解析により選ばれた実物の果実写真を指標として作成されているため、既存の色見本によるカラーチャートより容易に果皮色を判定することができる(図1)。
2. 本カラーチャートは既存のカラーチャートに比べ、測定者間のばらつきが少なく精度の高い判定が可能である(図2)。
3. 本カラーチャート値と果実糖度には有意な相関関係があり、糖度はカラーチャート値が1上がると半加温で0.8、無加温で1.2Brix%上昇するため、高糖度果実収穫のための指標となる(表1)。
4. 園地や作型により本カラーチャート値と糖度の関係は若干異なるが、高糖度果実収穫のためにはおおむね3以上を基準とする(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 黄緑色カラーチャートは農林省果樹試験場(1975年)作成のカラーチャートである。
2. 既存のカラーチャートは果粉を除去して比色していたが、本カラーチャートは果粉が付着したままの状態で比色する。
3. 作型の違いや着果量等の栽培条件により糖度の値は変わってくるので適正な着果管理に努めるとともに、産地で事前に着色と糖度を確認して収穫基準を決定する。
4. 本成果は新潟県内のデータを基に作成されており、他地域での適用性は未検討である。
5. 本カラーチャートの配布対象・手段等、今後の取り扱いについては検討中である。


[具体的データ]

図1 「ロザリオ ビアンコ」専用カラーチャート
図2 カラーチャートの判定平均値とデータのばらつきの関係
表1 果実カラーチャート値と糖度の関係
図3 各作型におけるカラーチャート値と糖度の関係

[その他]
研究課題名:ブドウ白色系品種の高品質、省力を実現する生産技術の確立
予算区分:県単特別
研究期間:2003〜2005年
研究担当者:根津潔、本永尚彦、山澤康秀、元永佳孝(新潟大)

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