静岡県茶業試験場遺伝資源における高カテキン含有個体の選抜


[要約]
静岡県茶業試験場遺伝資源圃にて保存している916個体の二番茶におけるタンニン含有率は、11〜26%の範囲に分布している。また、カテキン含有率は、最高値で総量が25.1%、EGCgが16.3%である。

[キーワード]チャ、遺伝資源、カテキン、タンニン

[担当]静岡茶試・育種研究
[代表連絡先]電話:0548-27-2311
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]研究・参考

[背景・ねらい]
  チャは、近年機能性が注目され、それに着目した育種が行われている。ここでは、機能性に富んだ育種素材を探索するため、静岡県茶業試験場遺伝資源圃にて保存中の個体について、高カテキン含有個体の選抜を行う。

[成果の内容・特徴]
1. 中国導入種830個体、アッサム導入雑種86個体の計916個体の2005年二番茶のタンニン含有率は11〜26%の範囲に分布し、そのうち約4.5%の個体が23〜26%の高含有率を示している(図1)。
2. 2005年二番茶のタンニン含有率上位41個体の2005、2006年の二番茶は、5個体が高カテキン含有率を示し、最高値が総量で25.1%、エピガロカテキンガレート(EGCg)が16.3%である(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 選抜した個体は、品質や栽培特性の調査を行い、高カテキン含有個体として育種素材等に活用する。
2. 選抜個体は、育種素材として提供可能である。
3. 摘採は、4葉開葉期頃手鋏で行い、うち60gの生葉を供試している。


[具体的データ]

図1 調査個体におけるタンニン含有率の分布(2005年二番茶)
表1 高タンニン含有個体のカテキン含有率

[その他]
研究課題名:新品種の育成
予算区分:県単
研究期間:2005〜2006年度
研究担当者:齋藤武範、鈴木康孝、西川博、田林綾子(三井農林(株))

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