台地における集団茶園地下水の硝酸性窒素濃度と流速


[要約]
茶栽培が盛んに行われている静岡県牧之原台地の浅層地下水の硝酸性窒素濃度は、降雨による地下水涵養の影響を受け変化する。一方、深層の地下水では、中期的に見ると硝酸性窒素農度は低下傾向にあり、流速は台地中央で遅い。

[キーワード]チャ、環境負荷、地下水、湧水、硝酸性窒素濃度

[担当]静岡茶試・土壌肥料研究
[代表連絡先]電話:0548-27-2311
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]行政・参考

[背景・ねらい]
  2006年現在、静岡県における地下水環境モニタリング調査では、硝酸性窒素濃度の環境基準10mgL-1を超過した地点が6カ所あり、その内5カ所が茶園の施肥由来とされている。ここでは、茶栽培がさかんな静岡県牧之原台地で、台地の地下水・湧水の硝酸性窒素濃度を調査し、茶栽培の地下水系への影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 牧之原礫層基底面に達する深層井戸の地下水の硝酸性窒素濃度は、中期的に見ると低下傾向にあり、04年、05年にかけて低下し、06年は20 mgL-1強の濃度でほぼ横ばいである。また、台地南裾の牧之原礫層基底面からの湧水では、硝酸性窒素濃度が深層地下水とほぼ同様に推移する(図1,3、湧水データは省略)。
2. 浅層井戸の地下水硝酸性窒素濃度のレベルは、井戸によって異なるが、降雨による地下水涵養の影響を受け大きく変動する(図1,,) 。
3. 電研式地下水流速流向計によって測定した地下水の流向・流速は、台地中央(深層井戸A)で真南の方向に4.20×10-5cm/sec(13.2m/年)、台地南部(深層井戸B)で南から東に30°の方向に4.04×10-4cm/sec(127m/年)となり、特に台地中央で遅い。

[成果の活用面・留意点]
1. 茶園施肥由来の環境負荷軽減対策に資する。
2. 調査地域(図1)の地質は、下位から掛川層群(難透水層)、古谷泥層(難透水層)、牧之原礫層(透水層/帯水層)である。
3. 茶栽培の体系、施肥量、気象条件、地質等により、地下水硝酸性窒素濃度の推移が異なる。


[具体的データ]

図1 調査した地下水(●)及び湧水(■)採取場所 図2 調査期間中の日降雨量
図3 深層井戸A及びBの硝酸性窒素濃度の変化 図4 浅層井戸a,b及びcの硝酸性窒素濃度の変化

[その他]
研究課題名:台地の集団茶園地下水の濃縮循環利用及び脱窒による窒素除去と効果予測
予算区分:県単
研究期間:2004〜2007年度
研究担当者:松浦英之、村中康秀

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