大莢で、ゆで豆向きのらっかせい新品種候補系統「関東102号」


[要約]
らっかせい「関東102号」は、晩生の大莢系統である。特にゆで豆用栽培に適し、食味が良く「郷の香」よりも多収である。

[キーワード]らっかせい、大莢、ゆで豆、良食味

[担当]千葉農総研・育種研究所・畑作物育種研究室・落花生試験地
[代表連絡先]電話(fax):043-444-0676
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  国産落花生は、主に煎り豆として消費されているが、作付面積は年々減少の傾向にある。一方、近年ゆで豆の消費が拡大しつつあることから、大莢で子実の充実の良いゆで豆向き品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 「関東102号」は、中生で大粒・多収・良食味の「ナカテユタカ」を母に、晩生で大莢の「Jenkins Jumbo」を父として千葉県農業試験場(農林水産省らっかせい育種指定試験地)で人工交配を行い、選抜・育成した系統である。(表1)
2. 莢・子実は極めて大きく、充実も良い(図1)。
3. ゆで豆の成熟期は、「郷の香」より10〜15日遅い、開花期後80〜85日である(表1)。
4. ゆで豆の収量(上・中莢実重)は、「郷の香」より多い(表1)。
5. ゆで豆の食味評価は、「郷の香」より軟らかく、甘みが強く、食味がよい(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 本系統は千葉県内全域にゆで豆用として普及される予定である。
2. 地上部の生育が旺盛なので、マルチ栽培の場合は開花期後すみやかにマルチを除去する。
3. 茎腐病に弱いので、多発圃場では栽培しない。


[具体的データ]

表1 「関東102号」の特性概要
図1 ゆで豆の莢と子実 図2 食味調査結果

[その他]
研究課題名:落花生の新品種育成
予算区分:指定試験
研究期間:1993〜2006年
研究担当者:岩田義治、清島浩之、長谷川誠、松田隆志、鈴木一男、曽良久男、坂巻有香里

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